関西の大家業をもっと楽しくする
ヒント集
vol.99
2018.12.05
管理会社を味方につける
「話し方」
次第に収益物件オーナーは歳をとり、管理会社の担当が年下になっていく事もあります。
電話のマナーやメールのマナーがなっていなかったり、
トラブルを放置して拡大・炎上してしまったりと、
頭にくることも多いはず。しかし、ここで彼らに説教しても嫌われてもあまりメリットがないことがあります。
今回は、管理会社を味方につける話し方を考えます。
写真はイメージです
トラブル発生。
あなたの第一声は?
管理物件でトラブル発生。それは騒音の苦情によるご近所同士の対立かもしれません。あるいは長期滞納者の夜逃げ。あるいは孤独死や火事。もしかしたら、タバコの投げ捨てやごみのルール違反で粗大ごみがいくつも転がっていたという報告かもしれません。
まず、こうした連絡が入ったら、あなたはこんな事を言おうと思いませんか?
「犯人は誰だ?」「なんでこんなになるまで、報告しなかった?」「いったいどうしてくれるんだ!!」
大事な資産である物件でトラブルがあればだれもが感情的になるものです。
怒っても、解決しない
原因も犯人もまだわからないかもしれません。ここまで被害が拡大するまで放置してしまっていたという非が、管理会社側にあるのは間違いないでしょう。そして対策もまだ出来ていないかもしれません。
「犯人不明」「原因不明」「今まで連絡なし・あるいは放置」「対策も未定」これで怒るのも当然です。が、これは感情を高ぶらせて怒っても解決しません。
「怒られる」ことに
慣れていない世代
今は、ちょっとした怒鳴りあいでも、「パワハラ」です。先生も「体罰」はしません。従業員のストレス耐性は年々低くなっており、メンタルヘルスの発生も増えているように感じます。
そう、若手の管理会社の従業員はそもそも怒られることに対する免疫が出来ていません。となると、怒られると委縮します。萎縮させても、解決はしません。むしろ、「もう連絡するのは嫌だな」「対策までちゃんと出来てから報告しよう」「犯人がわかってからにしたほうがいいな」などと連絡が遅れます。その間に被害は拡大し、収益物件オーナーの労力が増すかもしれません。
まず、「よく報告してくれたね。
ありがとう」と言えるか
もちろん、「あのオーナーは楽だよ。怒らないから」と思われても、対応に緊張感を欠いてしまうかもしれませんから、「それは大変じゃないか」「困ったな」「早急になんとかしないと」と深刻な状況であることはきちんと伝えるべきです。
しかし、感情を高ぶらせて「なんでもっと早く報告しないんだ」「もっと前に〇〇しておけなかったのか」と過去を「責めて」もタイムマシンはありません。責められることに慣れていない世代には、威圧感はかえってモチベーションをさげてしまうのです。
それよりも、怒りはぐっとこらえつつ、「まずは、言いにくいことを報告してくれてありがとう。これからもしっかり頼むよ。ところで、まず対策として、どうすべきなのかね」とエスカレーションをしてくれたことに、感謝をしましょう。
演技で構わない
なかには、「こっちは金を出して、物件の管理を任せているのに、何たることだ。そこまで気を使うなんて」と思われる方もいるかと思います。ごもっともです。しかし、「ビジネス」として考えると「出来る限り、損せず」「気持ちよく」「現地の管理会社がしっかりとやってもらう」ことが大事です。言うべき要望はしっかり言い、納期はいつまで、品質はどのレベルまで、かけてよいコストはいくらと、「納期」「品質」「コスト」はしっかりと握るべきです。しかし、「怒り」「説教」「威圧」は、ビジネスとしてはあまり良い結果を産みません。
と考えると「演技で構わない」のです。「よく、報告してくれたね。うーん、参った。本当に困ったな」と言いながら、落ち着き、相手に「怒り」「説教」「威圧」をまき散らさない。
実は、日頃から感情的なやり取りの多いオーナーほど、管理会社が連絡を疎遠にし、かつ、パートナーである従業員のモチベーションを落としているのかもしれないのです。
パートナーマネジメントをしっかりと行う事は、成功のカギなのです。