関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.97

2018.11.09

目の前にある空室と
これから発生する空室

11月に入り、今の空室が気になって仕方がない。
「まだ空いている。4月まで空いたままだと厳しい」
募るイライラ。そんな中、次の繁忙期に向けて
気持ちを入れ替えたいという視点で今回は論じます。

写真はイメージです

目の前の空室にイライラ けど、
来期はどうなる?

 収益物件の空室は利益損。11月に空いている空室は目の上のたんこぶです。「あー早く決まらないかな」と不動産会社とキャンペーンをしたり、空室対策を考えたり・・・。
 一方で、次の繁忙期が始まります。次の募集に向けた対策が必要なのです。もう「来年の話」です。

3月までの退去をヨム

 今、空いている空室の事を一旦忘れると、次の繁忙期の準備が必要です。忘れられない気持ちはよーくわかりますけど。
さて、今も目の前の空室にイライラしているので、考えたくもありませんが、3月までに、また退去が出ます。どんなに嫌でも、出るでしょう。さて、何件、退去が出そうですか?
 学生は何人卒業しますか? 転勤は毎年、何年ぐらいで出ますか? 結婚や転職はありそうですか? 近くの分譲の戸建ては売れていますか? 何人ぐらいは、「家を買うから」と退去しそうですか?
 出てから考えるのではなく、まず戦略を考えましょう。例年3割出るなら、今年もそれぐらいは出るかもしれませんし、もしかしたら一気に出るかもしれません。

退去意向のアンケートをとる

 「今年度は転勤しそうですか?」
 そんなアンケートや年末年始挨拶などを投函してみませんか? 管理会社と協力してもかまいません。数字を読むことで覚悟も出来ます。
 年賀状を出す、クリスマスカードを出す、更新の案内を出す、電話をしてみる、なんでもできるのです。

目の前に空室がある
→長期空室になりやすい住み心地

 さっき、一旦忘れていた、長期空室。ということは、空きが出たら、なかなか埋まらない可能性が物件にもあるということです。住み心地があまりよくない→だから、空くと決まらない→ということは、ほかにも空室が出る、と考えてみましょう。
 「駅から遠い」「築年が古い」と今更変えられないことに、その理由を求めない事です。「駅から遠いのに、自転車置き場に屋根がないから」「築年が古いのに、エントランスも廊下もエレベーターも劣化したまま」と、ハンデキャップの上乗せで、長期空室になる理由はないでしょうか?
 それは、今の空室の課題であるのと同時に、これからの空室のハンデにもなるのです。特に共用部の強化は、両者の魅力アップになります。消費税アップ前にやっておきたいと思えば、今しかありません。

目の前の空室を
実験台にする

 ずーっと空いていた目の前の課題の部屋。これが、実は、これから出る空室に対しても、実験台としての材料になります。
 「畳で押入れ、ボロいから空いている」なら、今の空室を「フローリングとクローゼットにリフォーム」して、これから出る空室に対しても、モデルルームにしてしまう。「102号室は現況空室でリフォーム済」「203号室は3月退去予定でリフォーム前」で両方募集する。
なんなら、102を見せて、「このようにリフォームするので」と、203号室を1万円UPで募集する。すると、1階か2階かで、後者は家賃が高いとお客様に悩ませる。先に102が決まればラッキーで、102は入居開始まではモデルルームとして活用できる。残った、203号室で、家賃交渉が入れば「では畳・押入れでも良ければ」と妥協点を見つける事も出来ます。このケースで、203から決まってしまったり、102にすぐ入居されて中が見学できなくなるという事もあり得るので、注意は必要です。

 不幸にも空いている目の前の空室を、これから年度末まで発生する空室に対する、対策のためのチャレンジ住戸と考えて、積極的にトライアルして、4月は満室にしていきましょう。