関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.96

2018.10.16

マーケット特性と
管理会社特性

収益物件のオーナーにとって、
全国の同じ立場の人の成功事例や失敗事例は
とても為になります。
そこで、こうした「他のオーナーの話」を参考にするときに
「うちの街ではどこが違うのかな」という視点について
今回は述べます。

写真はイメージです

たしかに成功していて
素晴らしい・・・けど

 全国で講演をしていると、私の前後にカリスマ大家さんがお話をされることがあります。賃貸フェアなどでも大人気で、沢山の大家さんが、「成功している大家さんの話」に釘付けとなります。ある種、「そーそー私もそういうときに困っていた」「なるほどそんな手があるのか」「おー、そうやって工夫しているのか」と共感が高まります。
 私も全国の大家さんのお話を聞くのは大好きです。なにしろ現場感がすごい。「こんな入居者がいて、こんな失敗をした」といった話などは、体験してみないとわからないもの。私もとても勉強になります。

会場で質問が出る。すると・・・

 こうしたセミナーで、終了後に会場で質問をとるケースがあります。いろいろな質問が出ますが、わかりやすい質問として「私の物件、あなたならどうするか」といった質問です。
 ところがこの時に、実は違和感が出てしまいます。
 例えば。
 「築30年・バストイレ一緒で決まらない。どうしたらいいのか?」「私の経験では外国人を入居させるという手がある」「いや、そんな。うちの村には外国人なんかさほどいないよ」
 「DIYで入居者が自分の好きなように出来るというのは新しい流れですよ。一緒にやりましょうよ」「え?うちの街ではDIYショップがつぶれていて、とてもリアリティがないんですが」「そんなことだから地方はダメなんですよ」「・・・・」
 「2DKより1LDKがこれからは主流になります。思い切ってリノベーションをしましょう」「はい。私もやりたいのですが、ここでは家賃が3万円なので、とても100万円を超える投資は出来ないのですが」「そういわれても」
 「空室も民泊で稼げる物件にしましよう」「私の街でも民泊は成功しますか?」「さあ、それはちょっと・・・」
 特に首都圏のセミナー講師と地方のオーナーとのギャップは激しくなります。そもそも家賃が違いますし、外国人やDIY志向者の比率も異なります。マンションと戸建ての比率も異なりますし、年収も違います。学生数も違いますし、人口減少のトレンドも異なります。
 「人気講師がそう言ったから」とDIYやサイクリングマンションや防音賃貸にしたけど、まったく埋まらないという物件の話もお聞きします。マーケットの違いが賃貸では、成功要因のひとつとなります。

地方のオーナーの工夫は
全国で有効か

 逆に、地方のオーナーの工夫は、ある程度首都圏でも有効だと思います。限られた予算の中でしている地方の工夫は、家賃が高く、かつ入居率の高い首都圏のオーナーは、参考にすべきだと思います。とはいえ、地方とは外注金額が異なったり、分譲マンションの賃貸などの競合もあったりするため、地方で成功した工夫だけで、競争優位性が上がるかは不確定です。必ず、周辺物件との戦いとなるからです。

似たような街で闘う
収益物件オーナーの話を
参考にする

 札幌・仙台・神戸・広島・福岡といった都市は、企業の支店が多いため転勤も多く、首都圏の最新のデザイン志向と、地方都市の賃料相場の中での戦いとなるため、参考になりやすいエリアです。道州制となれば中核都市となるという点でも似ていて、こうした街での成功事例は、同じような街では参考になると思います。
 また、「県庁所在地」も賃料相場が近く、かつ、外国人や学生といったマーケット特性も似ているところがあり、比較検討しやすいと思います。
 あるいは近くにより強い街があるといったエリアも、似たような街のオーナーの話は参考になるでしょう。岐阜は名古屋に人口をとられてしまいがちですが、実は千葉も似ています。工業地域であれば、四日市などは小倉をベンチマークすべきかもしれません。京都での民泊成功事例は、長野や札幌や沖縄の観光地の参考になるかもしれません。
 自分の街と同じようなエリアでの工夫から、学ぶ機会は多くしたほうがよいのです。

近いマーケットでも、
管理会社の特性による差も

 とある街で、マンスリー物件がフル稼働しています。しかし、それはほかの管理会社では成功していません。その管理会社の法人事業部が強く、2~6か月という中期の滞在の案件をしっかりと確保しているから、という事もあります。あるいは、サービス付き高齢者向け住宅やデイケアで成功したという話。よし自分もやってみようという前に、実は、お年寄りの入居のノウハウをその管理会社がしっかり持っていたので、オーナーが成功したというケースもあります。
同じようなマーケットでも、「誰と組むか」も成功要因を分けます。
 他人の成功談・失敗談を上手く活用しつつ、うちのエリアではどうなのか、私の物件のパートナーである管理会社はどうなのかと、冷静に見極めて、戦略を立てていきましょう。