関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.93

2018.09.05

買い時かどうかは
「買い手の都合」も大事

今、収益物件の価格は高く、
かつ、銀行の融資は厳しくなってきました。
今は「売り時」だけど「買い時」ではない。
おおむね相場はそう言えるでしょう。
しかし、相場だけで売買は考えるべきではなく、
「当人の事情」も大事ですよ、という話です。

写真はイメージです

物件相場は高い

 今、収益物件の相場は高く、利回りはあまりよくありません。長く続いた低金利で、収益物件市場には「買いたい」という人が溢れ、価格は高めです。
 利回りが悪くても、銀行金利が低いので、レバレッジは利きます。「安い金利で借りて買えば儲かる」ので、収益物件市場は右肩上がりでした。
 さらに新築の賃貸の価格が上がっていることも、中古市場を押し上げます。鉄も木材も輸入に頼るわが国では、円安のため建築資材が高騰しています。オリンピックや復興による人手不足は人件費アップも呼び、新築が高い。それに引っ張られるため、中古も高値となっています。

金融機関の蛇口

 一方、このコラムでも紹介しているように、金融機関の融資審査は厳しくなってきました。収益物件の投資家にフルローンでじゃぶじゃぶと融資していた状況は金融庁から諫められ、土地や頭金がないと簡単には融資がおりなくなっています。
 こうなると「一番手の人の融資がおりず売れなかった。そろそろ下げようか」などという話も聞きますが、相場は極端には下がりません。ファンドやリートなどの投資もあり、まだまだ購買側も活況です。

「物件が高い」けど「買う」

 先日、上記のような話をオーナーセミナーでしました。セミナー終了後、とあるオーナーから「今は先生の言うように高いなら、買わないほうがいいのですか?」と聞かれました。少し時間があったので、このオーナーとお話をしました。
 聞くと、今、手持ちの賃貸物件は銀行への債務を終え、安定収入がある。そう「現金がある」のです。かつ、今後の相続を考えると、それなりに借金がしたい。たしかに現金は相続税が高く、不動産資産に変えるほうが税務上は有効ですし、金利は安い。だとすれば、消費税アップ前に中古の収益物件を買うのは、いいのではないでしょうか?

マーケットの相場だけでなく、
自分の都合も考える

 だれでも「安い時に買いたい」し、「高い時に売りたい」ものです。そんなこと言ったら、株だってそうですね。相場次第を読み続けるしかありません。しかし、それとは別に「相続」「税務」といった自分の事情もあります。
 もちろん、立地や人口動静なども考え、将来の収益も考えて購入をすべきでしょう。我が国は人口が減っているトレンドですから、賃貸経営にリスクがないわけではありません。しかし、今、ちゃんと稼げる物件があり、融資が終わり、かつ、ご自身の年齢などから相続を考えるとすれば、買い増しも選択肢のひとつです。

建て替えやリフォームも
長期戦略で、相続を意識する

 買い増しという景気のいい話でなくとも、「そろそろ建て替えも考えようか」とか「リフォームしたほうがいいのかな」という話もお聞きします。この際、重要なのは税務と相続です。
 物件価値が上がって建物評価が高くなるのか、それとも建て替えやリフォームの借金で相続評価が下がるのか? あるいは短期的に経費で計上できるのか? 建物の事情だけでなく、収益物件オーナー側の事情にもよるのです。
 建物からの収益を最大と考えるPM(プロパティマネジメント)から、オーナーの収益全体の最大化を考えるAM(アセットマネジメント)へ。「自らの都合」と、「マーケットの都合」を照らし合わせて、時には「逆張り」をする事もあるはずです。しっかりとこうしたことの相談に乗れる、プロと膝を交えて会話を深めましよう。