TOP満室経営のツボvol.9

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.9

2015.03.03

今年の動きが早い!!
では、どう対応すべきか

全国各地の不動産会社から、「今年の動きは早い」とお聞きします。動きが早いとはいったいどういうことなのか。そして大家としてどう対応すべきかについて、緊急特集します。

写真はイメージです

12月1月の仲介件数が過去最高の会社も

「12月1月が好調だけど、2月3月はどうかなー。今年の動きが早いね。年々、この傾向が続いているよ」こんな声をよく聞きます。景気のいい話でもありますが、どうも、12月1月は前年比プラス、一方で、2月3月は伸び悩むという会社がここ数年多く、景気がよいのではなく、契約が前倒し傾向にあるようです。
 こうした声は、全国の仲介不動産会社からお聞きする話です。一体、なにが起こっているのでしょう。

「AO入試」「推薦入学」。
合格発表が早くなっている

まず大学生の、お部屋探しの時期ですが、実は、年々早まっています。かつては、大学受験を学生が受け、次から次へと偏差値の高い学校を受け続ける為、進学する大学の決定は2月3月になるのが普通でした。
 ところが、今日は、少子化と大学設立の増加で、私立大学の半数が定員割れという状況。大学も定員確保の為に、入学試験が多様化しています。かつてのように横並びの受験だけでなく、早期に入学を決定する「推薦入学」や「
AO入試」が増えており、実際の定員の半数は、半年前に確定してしまうという大学も少なくないのです。
 そうなると、新入生は、12月ぐらいであっても、もう進学する学校を決めて、お部屋探しをするという方もいます。
 また、受験日に親が一緒に学校までくるという受験生も増えています。すると、子供が試験をしている最中、親は暇ですから、試験日にお部屋探しを親がする、ということもあります。この際は、「合格前予約」といって、受験の日に予約をしてしまって、不合格であったらキャンセルするという新しい手法も始まっています。

企業の人事発表や内示も
年々早くなっています

企業の人事異動の発表も早くなっています。小泉政権時代の規制緩和で派遣法の適応は緩和され、いわゆる非正規雇用が増えています。経済が伸び悩む中、国民の給与水準は低迷し、派遣雇用も含め、働く主婦も増えています。
 すると、3月の社員異動の決定に際しても、本人だけでなく配偶者の転居に対する配慮も大切になります。社員に例えば、4/1での転勤を3/20に人事発令をするとなると、配偶者の退職と再就職、子供の転校や、保育園の確保等、様々な手続きに時間が無く、困ってしまう事があるのです。
 そこで、3月の人事異動等に際しても、本人への異動の内示や、社内での人事発表のスケジュールを前倒しにする配慮が浸透しています。

物件探しの動きが早いだけで、
入居時期は変わらない

これらを読んで、なにが大切かというと、「動きが早い」けど「転居は4月」という事です。
 困った事に、こうしたマーケットの動きに疎い大家さんは、せっかく12月に見学の予約が入っても「4月入居じゃ、3カ月の空室のままだからなあ」と契約を逡巡したり、時には断ったりしているようです。これはもったいない。3カ月前に動く人が多くなった分、直前に動く人は減っています。せっかくの反響を逃し、空室を埋めるチャンスを逸しているかもしれません。

退去予定をいかに把握するか

このように、「動きが早い」という事は、退去側も新居を探す動きが早まっている可能性があります。ところが、ほったらかしにしておくと、この「退去予定」の情報を逃す事になります。12月に新居を探しに行ったとしても、今の物件に「そろそろ退去しますよ」と連絡をわざわざしない人は沢山いるのです。
 すると、早めに動く入居希望者がいる一方で、自分の物件を3月末に退去する人がどのくらいいるかを把握しないまま、4月になってみたら、大量の空室を抱える・・・などということにもなりかねません。
 大学4年生、あるいは企業の定期的な人事異動を鑑みて、「3月に退去の予定のある方は、この往復はがきを出してください」といった案内を出すなどして、先に先に退去予定物件を捕捉しておく事が大切なのです。

居室・キッチン・お風呂の写真の確保を

今はインターネットでの反響獲得には、写真が欠かせません。ところが、入居希望者の動きが早くなるという事は、まだ居住中で、中が見学できないだけでなく、室内写真の撮影ができません。
 つまり、「動きが早くなる」→「退去予定を把握して早く広告しないといけない」→「写真が鍵」→「入居中だから室内写真が撮れない」→「では、早い時期に内部の写真を全部撮影して用意しておこう」と考える必要があります。これは仲介会社よりも、管理会社や大家さん自身の方が対応可能です。
 このように、カスタマーの動きの変化に対応して、大家さんの動き方もどんどん変えて行かなければならない時代なのです。変わらなきゃいけませんし、時代の変化に対応した大家さんが、この変化の中で勝っていけるのだと思います。