TOP満室経営のツボvol.89

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.89

2018.07.09

潮目の変化でどう買うか。どう売るか。

金融機関の融資条件が日に日に厳しくなっています。
これからどう買うのか。そしてどう売るのかを考えます。

写真はイメージです

金融機関の融資が
厳しくなっている

 昨年の4月ぐらいから金融庁の指導が入り、金融機関の融資審査が厳しくなりました。そして、スマートディズの問題が発生。一気に金融機関の融資条件が厳しくなったと感じます。
 こうなると、これまでのサラリーマンの副業で不動産投資を行っていたという人にはなかなか融資が付きません。頭金がかなりあり、かなりの信用がなければ融資が下りないという状況は「低金利なのに、借りられない」という難しい局面に入りました。
 売りに出した物件。一番手の購入希望者の属性は決して悪くないのに、なかなか審査が下りず、随分と待ちされたあげくに金融機関の融資が付かずに断念、といったケースも増えているようです。

今、買っている人は
どんな人?

 しかし、それでも不動産売買は動いています。ではどんな人が買っているのでしょう? それはズバリ、融資額割合が少なく、属性のすこぶるいい人。まさに資産家という事になります。
 ということは、今かに買うには現金を持っているほうが有利です。これまでの保有物件をあえて売って頭金を作り、それをもとに、次により大きな物件を買うといった強気な投資家にも先日お会いしました。今なら、購入した時よりも利回りが悪化したとしてもほかの物件よりは魅力的にうつるはず。相場は依然として高いので、この高値で売って、現金を作り、次のさらなる大型物件にチャレンジしていくというわけです。

低金利、だが相場は高い

 今は、金利が低く、購入すればレバレッジが利きます。つまり「買い時」というよりも「借り時」です。この借りる条件が厳しくなったという環境の変化は理解して、自身が金融機関にどう見られているかを把握したうえで、「買い」なのか「ステイ」なのかを冷静に判断する必要があると思います。

もしかしてこれから下がる?
ならばどう売るか?

 現状も中古の収益物件の市場価格は高い水準です。が、冷静に見ると、「ローンが通らない」ために「なかなか売れない」という状況で、「売るのをやめる(=売り止め)」や「希望売却価格を下げる(=新価格・値下げ)」が始まっています。
 この判断は、投資判断としてはしっかりと冷静に考えるべきです。慌てて値引いて売っても損ですが、迷っているうちに販機を逃すという事もあります。ベテランの収益物件専門の不動産会社と膝を交えて戦略を立てる必要があります。

用途を変えれば、
まだまだ買い手はいる

 収益物件の市場では金融機関の審査は厳しくなっています。しかし、ほかはどうでしょうか? まだ世の中は低金利であり、金融機関は利益幅は今の低金利では少なく、「どこかに貸したい」と思っているのは実情です。
 たとえば、実需。かなりの築古で、「今が売り時、売りたい」と考えたときに、「満室にして収益物件として売る」のとは逆に「更地にして、分譲物件の土地として売る」という手法もあります。安い戸建てをどんどん建てて売っているパワービルダーは元気ですし、消費税アップ前に戸建てを買いたいという一般の人は沢山います。一般の人が実需で買う場合は、住宅ローン融資は積極的です。立地にもよりますが、こうしたプレイヤーをターゲットに売り抜けるという手法も、収益がちゃんと出るなら有効でしょう。これも立ち退きなど様々なプロの対応が必要となりますので、不動産会社とのパートナーシップは大切です。

建て替えるなら、今

 では、「保有したまま建て替える」と考えるならどうでしょう。建築費は今はかなり高く、建て替え時ではないように感じるかもしれません。円安の影響で輸入資材の価格は高く、オリンピックなどで人件費もあがり、ちょっと前の2割増し4割増しの建築コストがかかります。しかし、それでも融資がつけば、建て替えたほうが良いです。低金利で、月々の返済はかなり下がるからです。実需でも新築マンションの値段が高くても売れているのは低金利だからです。消費税が今後上がるとすれば、上がってから建て替えるより、その前に建てるほうがお得でもあります。
 ただ、実需とは異なり、事業用ローンでは変動金利での融資となるのではないでしょうか。ここは重要なリスクポイントです。建て替え時の収益シミュレーションでは問題なかった物件が、その後の人口減少で空室ロスや家賃減額のリスクを抱えるだけでなく、金利上昇のリスクまで加わるとなると、さらに冷静な判断が必要です。
 ここでも個人の山勘だけで購入や売却を決めるのではなく、末永く付き合える信用できる不動産会社にじっくり相談して、立地や将来展望を見極めて判断したほうが良いと思います。