TOP満室経営のツボvol.88

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.88

2018.06.18

投資をして資産価値を上げる。

空室対策として、投資対効果はどう計算すべきなのでしょうか。
ここまでお金をかけても、元が取れるのか?
その判断について、今回は論じます。

写真はイメージです

退去者が出たら、
温水便座とモニタフォンを つける大家さん

 とある不動産会社から悩みの相談を受けました。
「ある物件のオーナーは、かなり古くなっているので、物件の設備強化が必要だという事は理解してくれています。退去者が出るたびに、温水洗浄便座とTVモニターフォンをつけてくれるのです。ところが、それを知った、長期入居者が、『新しく入る人には、温水洗浄便座とTVモニターフォンが付いているのに、私の部屋にはない。不公平だ』というのです。でも大家さんは、『もったいない。そのまま住んでもらえ』というのです。どうしたらいいのでしょう?」

もし、その入居者が
その新居に転居したら?

 実は、この「もったいない」は間違っています。
 まず、この不満を言った入居者さんが「なら、今募集中の部屋に転居するよ」と言えば、温水洗浄便座とTVモニターフォンがない部屋がひとつ空き、これを設備強化しなければならなくなります。そうでなく、ほかの物件に転居したとしても同義です。ひとり失うほうが損です。

いずれ、
全部屋を設備強化するだけ

 短期的には「今住んでいるなら、そのままで住んでよ」という気持ちはわかります。しかし、数年をトータルで見ると「いずれ全部屋に温水洗浄便座とTVモニターフォンをつける」ことになります。つまり、収支の上では支出は同じなのです。
 目の前でお金が出ていくという不安が、「もったいない」となっています。

早く投資すれば、消費税は安い

 今後、消費税が上がることが既定路線となっています。もちろん、延期などの措置はあるかもしれませんが、下がることはないでしょう。
 だとすれば「早く投資をしたほうが、消費税は安く済みます」。合理的に考えれば、消費税アップ前に「入居中の部屋でも」設備強化したほうがお得となります。

まとめて払えば、総額が安くなる

 職人の人件費はどうでしょう? 実は工事は「一日いくら」で換算されることが多く、「一日その物件に行って、1部屋工事するのに比べて、2部屋3部屋とまとめて工事するほうが割安」となります。
 室内に入るとなると、入居者の許可が必要で、一概には言えませんが「まとめて工事をすると安くなる」ものです。
 先程の入居者に「それでは〇月〇日か△日なら、空室と一緒に工事できまよ」と言えば、円滑かもしれません。

売るときにも資産価値が上がる

 そして、仮に売りに出すときも、今は買い手もプロです。「10戸中7戸は温水洗浄便座・TVモニタフォン付き」などと売りに出されれば、「てことは買ってから、3戸には追加投資が必要」と値引き案件になりかねません。
 目先の投資を節約する事が、実は物件価値を下げ、資産の販売価格まで下げてしまうのかもしれないので気をつけましょう。