関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

Vol.78

2018.01.22

空いているスペースの有効活用を。
シェアリング新サービスから収益アップ

 空室対策を考える一方で、なにも入居してもらわなくても、そのスペースを例えばお稽古事の教室やクラブ活動などに使えないでしょうか。民泊という活用方法も居住スペースを短期宿泊ホテルとしての用途変更とも言えます。してみると貸会議室や駐車場のシェアリングなど、我々の賃貸収益物件には、ほかにも収益をあげていく可能性が満ちています。
 今回はこうしたシェアリングサービスについて、論じたいと思います。

写真はイメージです

意外と難しい民泊新法
ならばほかの手段は?

 民泊新法が出来て、いよいよ賃貸の空室を合法的にホテルとして用途変更する事が出来るようになります。大手ポータルサイトのスーモとAirbnbの提携など期待も高まります。
 ところが、各地の地方自治体の条例では新法よりも厳しい日数制限やエリア制限が設けられそうです。人口減少は止められない流れとすれば、空室対策以外にキャッシュを産む用途変更はほかにはないものでしょうか?

空いている駐車場を
活用できないか。

 空室対策だけでなく、我々の収益物件は駐車場や自動販売機置き場、あるいは共用部など、収益を生み出す可能性のあるスペースがあります。
 例えば、駐車場。入居者のための駐車場も最近はクルマを所有する人が減り、使われていないスペースもあります。こうしたスペースをアキッパとか軒先といった新興企業がレンタルスペースとして短期に車を停めたい人向けにサービスを展開しています。

お弁当屋さんや花屋さんが
空いているスペースで

 駐車場のスペースで、お弁当屋さんが弁当を売る。あるいは花屋さんが花を売る。都心の商業スペースの少ないビジネス街などでは、こうした自動車を活用した移動店舗のようなサービスもあります。昔なら、焼き芋・風鈴・魚・豆腐などが、天秤棒で売られたものです。それがやがて、リヤカーになり、移動自動車となり、今や駐車スペースでの展開。独立開業のハードルを下げ、立地条件を模索する上でも有効な空きスペース活用は、ビジネスの展開場所としても注目です。

コンサートの特需で話題に

 人気タレントのコンサート時には、沢山の人が集まります。東北の復興で嵐のコンサートがとある街が行われました。ところが、そのコンサートに全国から人が集まり、「ホテルが取れない」というトラブルが起こりました。駅から離れた大きなコンサート会場では、「駐車場がいっぱいで置くところがない」といったことも発生しました。
 その時、近隣の家の駐車スペースを上記の駐車場シェアリングサービスが営業しました。一般家庭の駐車場をその前日から貸し出しをするというサービスを提案したのです。
 するとこれが爆発的に大ヒット。一泊何千円・何万円という単価で駐車スペースを貸し出すことに成功したのです。おそらくは、クルマでやってきて、前日車中泊してコンサートに向かい、コンサート終了後にクルマで帰るといった新しい動き方を創造したのでしょう。

会議室のシェアリングサービスも
広がっている

 また、企業の会議室のシェアリングのサービスも拡大しています。あらかじめレンタル会議室を貸し出しするのではなく、企業の会議室を使わない時に、ほかの会社に使ってもらうといったサービスです。
 セキュリティとトイレなど、導線さえ確保できれば、駅前立地のオフィスでは、一定の需要があります。
 先ほど述べた駐車場のシェアリング同様、こうしたサービスはネット決済と集客を担うベンチャー企業が出ています。彼らを活用することで、安価にサービススタートが出来ることも魅力です。

規制の少ない
シェアリングサービス

 こうした駐車場・会議室といった既存の空間をシェアするサービスは、シェアリングサービスといい、空いている空間スペースを活用することで、収益物件オーナーの資産活用として有効であり、かつ社会的にもエコでお得な新サービスです。
 期待が大きかった民泊は、日数の制限などで今後、その伸びに歯止めがかかる可能性があります。一方で、駐車場・会議室のシェアには規制がなく、成長が見込めるものです。

「住む」だけにとどまらない
スペースの活用

 ・都心からちょっと離れたターミナル駅に、ガレージハウスを作って、そこに自家用車を停めておいてもらい、ドライブを楽しんでもらう
 ・防音設備でカラオケや楽器の練習のできるスペース月の物件にして、人気を集める
 ・爬虫類や熱帯魚など、特殊に愛玩動物と一緒に暮らせる個性的な物件として展開する
 ・共同スペースとして、サークル活動やデザインの思考スペース、あるいは学習塾などで活用していく
 実は、今持っている収益物件を活用して、そのスペースに「住む」以外のビジネス活用するヒントは、まだまだあるのです。

レンタルボックス・コインランドリー・自動販売機設置・・・

 「1階がなかなか決まらない」と困って空けておくぐらいなら、そこでコインランドリーを始めようというオーナーもいます。これもひとつの用途変更です。ずっと空けておくぐらいならば、このスペースで収入を得ることはできないだろうか。頭を使って、ビジネスを展開するチャンスは沢山あります。
 一方で、その世界にはライバルも存在します。目の前に安いコインランドリーが登場するかもしれません。すなわち、自らラーメン屋さんやクリーニング屋さんを開業する時と同義であり、競争原理がある世界での戦いでしのぎを削ることになります。投資に対するリターンの率だけでなく、リスクも考える必要はあるでしょう。
 入居者向けのレンタルスペース、あるいはそこを通る人に向けて自動販売機を設置してみる・・・。いずれにしろ、せっかくの資産を活用してどうストック収入を産むかは知恵次第です。
 これから人口は減っていきます。とはいえ、資産の有効活用が出来ないわけではありません。知恵を絞って、先に知見をためていくことで、少しでも稼げる資産にしていくことを考えていきましょう。