TOP満室経営のツボvol.69

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.69

2017.09.05

「ネコも入居者」と考え
周辺相場よりも高い賃料設定

なかなか空室が埋まらないから、仕方なく「ペット可」にしよう。
あるいは「AD料を上げて、賃料下げて、それでも決まらないのでペット可にしてください」と言われて・・・。
これまで、こんなふうに「仕方なく」「やむを得ず」「我慢して」「退去後の臭いや原状回復に不安を抱えながら」、ペット可にしたというケースが多かったのが賃貸業界でした。
これを逆手にとって、最初からペットを入居者のひとり(一匹)として考えて、満足度の高い物件を作り、周辺相場よりも高い賃料設定で満室経営をしている物件が出始めています。この発想の転換について論じます。

写真はイメージです

そもそも「ペット相談可」って
おかしな検索項目

 これまでは賃貸業界は「空室が決まらない」から「仕方なくペット可にした」という状況でした。
 なかなか覚悟がつかない大家さんは「ペット相談可」として、「ペットを飼って住みたい」という話を聞いて、まあ、ちゃんと飼ってくれるなら住ませようと、「相談可」などという表記があったぐらいです。
 考えてみれば、「フリーレント相談可」「ネット無料相談可」「エアコン相談可」なんてないですから、大家さんも、かなりびびっているというわけです。
 なにしろ、犬は吠えるし、猫は爪をとぐ。いっそ金魚ならいいかと思ったら、地震でひっくり返って水浸し。ならば爬虫類ならいいかと思ったら、逃げて大騒ぎ。退去時は柱や壁はボロボロで、動物の臭いでもうたまらない。「困ったらペット可」という事は「相当困らない限りは避けたいペット可」でした。

仕方ないペット可物件。
入居者も「仕方ない?」

 実は、ペットと一緒に暮らしたいと言う入居者にとっても、「仕方ない」という状況でした。物件を買うなら気にならない「ペットと一緒に住みたい」という気持ちでこんなに差別されるなんて。
 人気エリアで駅近で築浅なんていうと、ペット可がない。なぜか、不人気エリア・駅から遠い・築古ばかりが、ペット可で探すと検索される。これでは、「ペットと一緒に住みたい」という人は、他の条件は妥協して、住み心地の悪いところに住むしかない事になっていないでしょうか。そう考えると、そこにニーズがあるのです。

ペット可にしなくても決まる物件を、あえてペット可に。
もっとペットに住みやすくしたら?

 ペットを飼いたい人が、築古が好きなわけではありません。不人気エリアで暮らしたいわけでもありません。
 ということは、「人気エリア・駅近・新築」かつ「ペット可」の物件は希少価値があり、「こんな物件を待っていた」という、ちょっと豊かな人は存在するのです。
 ペットを我が子同然として、家族として一緒に暮らしている人もいます。なかには、子供に恵まれず、愛するわが子として扱っている人もいます。そんな人をターゲットに考えると、「入居者であるペット」の「住み心地」の良い物件は、高稼働で運用できる賃貸物件となる可能性があります。

ネコ共生物件の登場

 こうした、ペットと暮らす事を前提とした新築物件が各地で誕生しています。そう、新築の時からペット可なのです。
 例えば
・肉球を眺められる強化ガラスのキャットウォーク。
・無垢材のキャットステップやキャットウォーク。
・足が滑りにくい床材
・傷がつきにくいクロス、腰高は痛みにくい素材の板張り
・脱臭機付きの猫専用のトイレスペース
・外出先からスマートフォンのアプリで猫の様子を見ることができ餌も上げられる
・気温や湿度にあわせて、冷暖房を遠隔で入れられる
・部屋を通過できる小さな出入り口や外が見える小窓
などなど

こうした物件は「周辺相場よりも高い賃料で決まっている」というから、発想の転換としてとてもユニークだと思うのです。

近隣にない個性を

 このように、近隣にはちょっと見当たらないけれども、実は確実に借りたい人が存在する物件は、しっかり考えると創りだす事が出来ます。私達の先入観や業界の常識は、すなわち「どこにでもよくある」物件を作ってしまいます。たとえば「築古」「不人気エリア」「駅から遠い」ので「なんちゃってペット相談可」という物件。そして決まらない、決まらないと嘆くわけです。
 人口が減り、ライバル物件が増える。だからこそ、ライバルが少ないマーケットは発想を大胆に切り換えて考えて行く必要があるのではないでしょうか。