TOP満室経営のツボvol.51

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.51

2016.12.07

不動産の取引のプロではなく、
不動産投資のプロを見極めよう。

市場最低金利。金融機関からの融資も取りやすく、買いムードです。
一方で、「こんなことはいつまでも続かない」という悲観的な意見も聞きます。
人口減少・空き家問題。今は「チャンス」でも、将来を考えると逡巡する部分もあります。
さて、不確定な未来で今、我々はどう考えるべきなのでしょう。

写真はイメージです

今の「表面利回り」に 振り回されない

 投資用物件の資料を見て、どうしても最初に目を引くのは表面利回りです。同じ1億の投資で、満室時1000万円の家賃収入がある物件の方が、満室時500万円の家賃収入がある物件よりも2倍も儲かります。儲かるように見えるのです。
 しかし、こんなに単純な話であれば、表面利回り順に物件を買えばよいわけで、苦労はしません。

「今」の利回りより
「3年後」の利回りを想定する

 話を単純にしましょう。
 5万円の家賃で10部屋あるアパート。満室なら50万円の家賃収入があり、年間600万円の収益物件。これが6000万円で買えるなら、表面利回りは10%ですから、「買い」と言えます。現在の金利はとことん安くなっていますから、10%も利回りが出るならば買わない方がおかしい・・・でしょうか?
 この物件、買ってすぐに3部屋が退出して、なかなか決まらない。2部屋は家賃滞納気味で、なんとか1年かけて出てもらった。5万円という家賃は強気過ぎ、このあたりでは物件も増えて、4万円でもなかなか闘えない。購入して3年後には、全員が入れ替わり3.8万円の賃料設定でなんとか入居者を獲得。それでも3部屋ぐらいは空いていた・・・とします。
 仮にこの物件の購入時の住宅ローンが毎月25万円だったとしましょう。
購入時は満室で50万の賃料収入で25万の銀行ローン支払いで、毎月25万の粗利があった。ところが、3年後は、3.8万円×7=26.6万円の収入。これでは諸経費を払ったら赤字なのです。
 それでも仲介会社は「もう1000円家賃を下げてくれないと」「AD料を頂ければ決めますよ」と言う。こんなビジネススキームでは破綻です。

入居率を維持できる物件かどうか
そこがプロの目利き

 すなわち、掘り出し物の高利回り物件を探してくる「不動産売買のプロ」「投機のプロ」のような不動産会社よりも、自ら課題物件の空室率を解決し、収益改善をしているようなプロ、すなわち「不動産投資のプロ」「不動産経営のプロ」こそが頼りになるのです。
 なぜなら、「売り買いして終わり」ではなく、収益物件オーナーは、来年も再来年も物件の収入=すなわち「賃料×部屋数×入居率(-滞納率)」との闘いが続くのです。

大手というだけで
相手を信用しない

 では、誰を信じて買ったらいいのか。大手のブランドがあれば信用出来るのでしょうか。
 実は、会社の規模の大小は全く関係ありません。私は多くのオーナーから「空室だらけで賃料収入が減って厳しくなった」とお話をお聞きします。そういう時に限って、どこの不動産会社で仲介して管理を任せているのかを聞くと、CMでよく名前を聞くような有名企業である事が多いのです。
 「空室が多くて困っている」⇒「では家賃を下げましょう」「仲介時にAD料を沢山出しましょう」は、新入社員でも言えるのです。

今が買いか?より
「満室経営の打ち手」があるか?

 現状の表面利回りは、入居者の質を厳選せず、フリーレントなどを付ければ瞬間的には満室であるようにふるまう事も出来ます。築年が若く近隣にライバル物件がなかったため、たまたま高めの家賃設定でも、埋まっていたのかもしれません。つまり、「売り出された瞬間の表面利回りは、すでに過去のデータ」なのです。3年経てば築年は経過し、ライバルの新築物件が建つかもしれない。その時に「家賃を下げる」以外の打ち手がちゃんとあるかどうか。
 プロとして相談にのってもらうのは、こうした場面です。売り買いの場面だけで活躍する「売買のプロ」は、これから長く所有する物件を満室にする「空室対策のプロ」でないケースが多いのです。

空室対策は「失敗」経験に
価値がある

 「投資物件を自ら売ったり買ったりして大成功している」という投資家的な方の自慢話を聞いて、「彼にあやかりたい」と「言われるがまま」に物件を買ってしまう方も注意が必要です。
 自分で出来る投資というのはどうしても限られてしまいます。そんな少ない経験で「一発当てて儲けた」という人の話を鵜呑みにして上手くとは限りません。特に「失敗した事がない」という方ほど、失敗に弱く引き出しが少ないものです。なにしろ失敗した事がありませんから。
 たまたま一発屋の芸人で流行語大賞をとったようなタレントを師匠として真髄し尽くすのは、若手芸人の修行の場としては不適切なものです。沢山失敗して苦労して来た人であればこそ、様々なアイデアが出るものです。「以前、オートロックにしたけれどそれだけでは決まりが悪かった」「大金をかけてリフォームして決まらなかった物件が外国人に紹介したらやっと決まった」といった苦労を積んでいる会社と、末永く付き合いながら収益物件を磨いていきましょう。