関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.45

2016.09.08

賃料変更? リフォーム?
その前に、空室の原因を調査しましょう

こうした仕事をしていますと、時折、「自分の物件が空きが続いていて、賃料下げるのとリフォームするのとどっちがいいかな」と聞かれる事があります。今回は、そんな話からひとつの事例を紹介します。

写真はイメージです

とある地方都市の投資用物件。
長期空室で相談に乗る

「賃貸物件を札幌に持っていて、随分と長い事借り手がつかなくてね。ちょっと相談に乗ってくれないか」と知り合いから相談を受けました。
 区分所有で投資用物件。東京に住んでいる知り合いは、かれこれ何年も誰も借り手がつかないこの物件のローン残債を払い続けていました。

空室理由は・・・

さて、この物件は「なぜ空いていた」のでしょう。人口減少の煽りなのか、それとも築年が古いのか。
 遠く離れた自分の物件がなぜ空室なのかを、ご自身がよく把握していないというケースはあるものです。「もっと家賃を下げた方がいいのかな」「それともリフォームしたほうがいいのかな」という趣旨の相談だったのですが、そもそもなぜ空室なのかを現地の管理会社に聞いていただく事にしました。賃料見直しやリフォームというのは課題解決のための「手段」。「バントした方がいいのか、盗塁した方がいいのか、強攻した方がいいのか」といきなり聞く前に、どういう試合状況でどういうチーム状況なのか聞かねば戦略は練れません。
 ところがこの「手段」の選択にばかり関心が行き、長期空室の「原因」に目が向いていないというケースがあるのです。

聞いてみると驚きの事実が

実はこれまでも賃料変更や設備投資はしており、その都度入居も決まるのだが、なかなか長く住んでいただけない。入れても入れても出て行ってしまうという状況がわかりました。
 つまり、賃料や設備に課題があって誰も入らないのではなく、入居はあってもどんどん退去してしまう。その原因分析が不十分だったのです。
 よくヒアリングしてみると、なんと近隣に挙動不審の人物がいる。この部屋に誰が入居しても「物音がうるさい」とクレームを入れる。そればかりか、ドアに「静かにしろ」という落書きがあったり、道路を歩いていると上からペットボトルが落ちてきたりする。知らないうちにいわくつきの物件となってしまっていたのです。

対策を練るも距離の壁

ここまで放置してきた現地の管理会社にはもう任せられないと、私の知り合いの信頼できる不動産会社に相談。実はいわくつきの近隣情報もその不動産会社の助言からわかった事実であった。区分所有であるため管理会社の関与も少なく、近隣のクレーマーは管轄外でほかの管理会社というややこしさ。警察に相談するも、被害者が既に退去してしまっており、大家が東京ではなかなか話が進まない。そんな事態となりました。

「売る」という手段も検討

「家賃下げでも、リフォームでもなく、もう売った方がいい」とようやく東京の大家は判断し、なんとか売り抜ける事ができました。
 こういうケースは売った方がいい、という話をしたいのではありません。空室の理由や課題を充分考えて、その上で対策を考える。その対策は、賃料や設備・リフォームという方法論もあるけれど、「売る」「建て変える」など様々な手段があるという事です。
 課題物件については、特に遠隔地にある物件は、相場やマーケットを調べ、起こっている事象を整理して原因を調べて対策していく事が大切なのです。