TOP満室経営のツボvol.41

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.41

2016.07.05

プロパン会社変更戦略について

収益物件のプロパンガス会社を変更して、新しいプロパンガス会社に給湯器などを負担してもらうといった手法はご存じでしょうか。
今回は、こうしたプロパンガス会社の変更戦略について論じます。

写真はイメージです

プロパンガス会社のビジネスを理解する

オーナーチェンジの際に行なわれる事があるのがプロパンガス会社の変更です。築何十年という物件が収益物件として売りに出た場合に、売る側には売りたい理由、例えば空室の増加や物件の老朽化という問題があり、買う側は「自分ならそれを克服できる」というノウハウを持っていると良いという事は前回述べました。
 そうした際に、時に行なわれるのがプロパンガス会社の変更です。
 プロパンガス会社というのは自由競争をしていて、価格もオープン価格です。ひとつのエリアに複数のプロパンガス会社が存在し、その単価もまちまちなのです。
 例えるとガソリンスタンドと同じ仕組みです。クルマの給油をしようとすれば、高いスタンドもあれば安いスタンドもある。それぞれのスタンドが競争をしています。
 ということは、収益物件を購入する際に、Aプロパンガス会社からBプロパンガス会社に変更すれば、B社は純粋に毎月の収入が増える事になりますので、いろいろな特典をつけてくれることがあります。
 これがなぜ、オーナーチェンジの時かというと、通常は何度もプロパンガス会社を変えられてはたまらないので、プロパンガス会社が設備などを自社の物としてリース契約にしていたり、10年間は変更できないようにといった違約金等の縛りを設けている事があるのです。こうした不自由さはオーナーチェンジの時は「持ち主が変わるのだから」と変更がスムーズになります。

「当社に変えてくれるなら
 新しい給湯器に変えます」

Aプロパン会社からBプロパン会社に変更する場合、B社としては売上も利益も純増します。それをしてくれるなら「給湯器は全戸新しいものに変更しますよ」といったセールスを行なってくる会社もあります。
 この方法なら、オーナーは濡れ手に粟で、新しい給湯設備を手に入れられる。空室対策にもなるし、資産価値をあがるというわけです。なかには、「でしたらガスコンロも付けますよ」「エアコンもつけますからうちにしてください」などとセールスをしてくるプロパンガス会社もあると聞きます。
 「こりゃお得な方法を見つけた」と思われる投資家の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

過剰なセールストークの裏にある罠

しかし、一見、オーナーにはなんの不利益もないプロパンガス変更には、過剰なセールス合戦の結果、思わぬ落とし穴があるのです。
 そもそも、そうした給湯器を全部新品にしたり、コンロをタダでつけたり、エアコンまでサービスしてくれる原資はどこにあるのでしょう?
 プロパンガス代は自由価格。そうなのです。こうした過剰サービスを行なう会社のプロパンガス代は他社よりも高く、入居者が払う高いガス代から回収しているというわけなのです。
 「別に入居者の払うガス代が高くなろうがなんだろうがそんな事は関係ない。オーナーである大家の自分の腹は痛まないのだから」と考える方にお伝えしたいのは、巡り巡りってオーナーの収益に悪影響を及ぼす事があるという事です。

高いガス代は、
高い賃料と同様に退去の理由に

現入居者のガス代が上がってしまっては、住み心地が悪く、長く住んでもらえない物件になってしまいます。「オーナーが代わってガス会社が代わって、毎月のガス代が高いなあ。転居しようかな」では本末転倒です。
 新規入居者にとっても、新しい設備の給湯器や特典が付いていても、入居後、ガス代が高いとなれば、その分賃料が高い物件と同じです。「プロパン代金が高いから」と退去理由にあげて、次は都市ガス物件を探す、という入居者も増えてきました。
 空室が増えて行く中、1000円でも2000円でも家賃の下げ幅を抑えて物件の魅力をあげたい。その魅力付けを新しいプロパン会社が無償で行なってくれる・・・これは一見、オーナーには勝ちパターンの采配に見えます。しかし数年後は退去が増え空室が増えて、結局家賃を下げて対応したら、トータルでは損です。
 仮に、オーナーチェンジの際にプロパンガス会社変更を考えるとすれば、入居者のプロパンガス代も下がるという方向で考え、入居者・オーナー・ガス会社がWINWINとなる采配で考えて行くと良いのではないでしょうか?