TOP満室経営のツボvol.36

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.36

2016.04.22

現地を見るなら、
ここを見て買おう

前回は「見ないで買う」というケースでの情報武装について論じました。今回は「自分で見て収益物件を買う」という場合。果たして、あなたの「目利き」はどこまで磨けるかのポイントです。

写真はイメージです

夜、見に行く

「やっぱり、自分の目で見てよかった。多少は古いがいい物件だ。利回りもいいし勝負しよう」。とても勇気のあるよい判断です。
 そんな時、念のため確認していただきたいのが「夜」です。
 購入しようという投資家が物件を見たいというときは、やはり昼間、それも休日という事もあるでしょう。しかし、入居者はいつ、そこで暮らすのか。夜なのです。
 「よし買おう」と思ったマンションを念のため深夜に見に行った。すると駅から真っ暗の道で、とてつもなく怖い。あるいはいかがわしいエリアを通らないと辿りつけない。これでは長く資産運用していくには不向きな立地です。
 また、カラオケ・道路などの騒音も夜間であれば、よりリアルに実感できます。「これは、なかなか寝れないな」等という場合は、物件の防音対策も考えないといけません。音の問題は、最大の退去理由となります。
 朝夕の通勤通学時間も確認するとよいでしょう。「こりゃあバスが渋滞して、遅刻してしまうな」「かなりガラの悪い学生が歩いているんだな」といった不安要素も確認可能です。入居者は毎日、それを経験するのですから。

入居者を見る

「どんな物件か」を見る事も大切ですが、「どんな人が住んでいるか」を見る事もチャンスです。どんな服装の人? どんな目つきの人? 笑顔が多い? 男女どちらが多い?
 入居者を見ると、その物件の真の良し悪しも想像できます。以前、私が見学した物件では、廊下でパンツを干していました。「こちら側の部屋は、ベランダの先がすぐ隣の物件の壁なので、廊下に干してもらっているんです」といわれてあんぐり。このパンツの干された廊下をくぐって、いったいどんな人が住むのでしょう。

貼り紙を見る

間取りや駅距離と物件の状況だけを見ても十分とはいえません。こんなときに役に立つのが、実は「貼り紙」です。
 「ゴミ出しのルールを守れ」という貼り紙は、すなわち、ルールを守れない入居者がいるという証拠。「煙草の吸いがらがエントランスで見つかりました。ここは禁煙です」という貼り紙は火災のリスクのある物件という証拠です。廊下のコンセントに「勝手に使うな」と書いてあれば、勝手に使う人がいる証拠です。私が見た物件では、夕方は廊下が炊飯器の煙で、煙幕がかかったようでした。入居者たちが廊下でご飯を炊くのです。電気代の節約の為。節約ではなく、盗電ですね。

工事を想像する

「エアコンがない」「温水便座がない」「ネットがない」。こうした欠点のある物件はむしろ買いです。売主はそうした努力を怠ったばかりに空室に悩み、売りに出した。ならば、こちらは買って、設備投資をすればよい。あとは収支があえばよいのです。
 さて、こうしたケースで心配なのは、「実際に工事がどのくらいかかるのか」です。
 例えば、エアコン。「この物件って、室外機置けないじゃん」という物件もあります。洗濯機パンを置こうとしても「おや?これ配管通せないじゃん」という物件もあります。温水便座を付けようにも、トイレに電源がなければそれだけ工事費がかさみます。
 最近はネット環境も大切です。ところが、物件によっては、「いったいどこにネットの回線を通せばいいんだ」という物件もあります。穴がないのです。
 「何かを足して、賃貸経営で勝つ」というのはとても有効な施策です。その時に「どれだけ、それに現実味があるのか。工事費がかかりそうか」は判断ポイントです。わからなければ、買いの仲介会社に見積もりを取ってもらいましよう。

ライバル物件を見る

せっかく物件を見にきたのです。ライバル物件もちょっと外から見てみましょう。私が見た物件は築年は古くても、リフォームもしていて努力がされていました。ところが、近隣のライバル物件は築浅で、日当たりも良く、賃料もほぼ同じ。これでは売りに出るのも当たり前。近隣物件を決める為の「アテブツ」状態だったのです。
 あるいは学生エリアで近隣物件には「ネット無料」の旗が立ち並んでいる。学生生活はもうネットなしでは過ごせません。そんな状況で周囲がネット無料では厳しいわけです。
 美人物件の引き立て役である場合は、まずその事実を知りましょう。知った上で闘いに勝てばよい。上記のケースなら、こちらもネット無料にする等、まだまだ打ち手はある物です。

自転車を停める

地方のファミリー物件ならばクルマを停めてみる。単身なら自転車。特に駅から遠いなら、交通手段は必須です。
 そこで自らも体験してみましょう。すると、「坂が多くて、ここまできつかったな」「自転車置き場まで階段じゃないか」「屋根がないから雨の日は大変だな」「クルマがかなり停めにくいな」等様々な弱点に気づきます。
 気付いたら、それはチャンスでもあります。「なるほど、だから空室が出やすく売りに出んたんだな、だったら僕は大家としてこうしよう」と気付けばよいのです。

空室に泊まる

上記のように「自分が体験する」というのは、良い買い物をするには必要です。やはり試着してみないと、洋服も買うべきかどうかはわからない。
 そこで、せっかく高い金を払って買うのですから、一泊、空室に泊まってみましょう。
 さすれば、騒音や気密性等、物件の欠点を体感する事が可能です。寝袋ひとつでも、布団を持って行ってもよいでしょう。入居者気分で味わってみると、発見もあるはずです。
 買ってから対策を考えるより、対策を考えながら買う。こんな買い方をされる収益物件オーナーは、希少だと思います。だからこそ、是非、参考にしてみてください。人口が減り、ライバル物件が増え、築年ばかりが進んでいく。そんな収益物件のマーケットで、闘いに勝つ工夫は、他の大家さんがやらない事をやってみるのも、良いのではないかと思うのです。


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