TOP満室経営のツボvol.35

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.35

2016.04.07

見ないで買う投資家が、
見るべきもの。

投資用の収益物件を購入される方の中には「見ないで買う」という猛者もいらっしゃいます。私はあまりお薦めしないのですが、仮に「見ないで買う」というスタイルの方が、「これからの時代で、それでも見ておくべきポイント」について述べさせてもらいます。

写真はイメージです

なぜ、売りに出たかを想像する

なんといっても見ていただきたいのは「物件」なのですが、今回はそこを「見ない」という前提。その前提に縛られた上で見るべきポイントは、全室の入居者の属性です。若い人なのか、老人なのか。ひとり暮らしなのか、ファミリーなのか。
 なぜ、この物件を「売る」と考えたのでしょう? 買うならば、「売り手の事情」を想定しましょう。「空室が増えて利回りが悪化した」から「売る」というケースでは、そのままそれを明らかにしていては買い手がつきません。
 こうしたケースでは、フリーレント等で無理して満室にしている可能性もあります。従って、現況の入居率や表面利回りはあてになりません。
 となると、「なぜ売りに出したのかな?」とまずは勘ぐってみましょう。なにか事件があった、重大なクレーマーが存在するなどの状況は、実際「仮に見ても分からない」ものです。物件名や住所でネット検索してみると、なんらかの事情を探る事ができるかもしれません。ツィッターなども検索可能です。
 「前の大家さんが亡くなって、相続税を払う為に売りに出た」「息子達がもう都会に出ていて相続するつもりがなく売りに出た」等、事情が聞ければ安心材料のひとつではありますが、だからといって安心はできません。可能な限り情報を集めましょう。

入居者属性と保証会社のありなし

入居者の属性も確かめましょう。101号室に住んでいるのは男性なのか女性なのか。単身なのかファミリーなのか。名前が分かれば、ネットで検索してなにか出ないか、あるいはフェイスブックではどうか。
 過去の滞納状況や支払い状況等も確認しましょう。前述のケースでは、入居日が新しく、支払い賃料が低い等不自然なケースもあります。
 生活保護者や、特定の外国人労働者ばかりが住みついているといったケースも確認ができます。もちろん、それが、即、悪い話ではありません。家賃を払ってくれれば、仕事のありなしも国籍も差別するべき項目ではありません。とはいえ、それを知っておくことは、オーナーとしては大切です。

大学や企業の移転情報

次に、外部環境の確認をしましょう。先ほどの入居者属性がヒントになります。例えば、単身者・学生が多ければ、「どこの学生か」は大切です。近隣の大学に通う学生が多い、あるいは近隣の工場に勤めている人が多いと分かれば、今度はその学校や企業を検索してください。
 「○○大学の学生が多い」「○○大学の△△学部が移転する」となれば、なるほど売りにも出しますね。これを買ってはリスクを背負います。「□□会社の工場勤務者が多い」「□□会社の業績がすこぶる悪い」となれば、工場移転というリスクがある可能性もあります。
 駅距離や築年や広さといった物件状況を知るだけでなく、マーケットの環境変化を知るべきです。近隣に高いビルが建って日陰になる。人口が激減しているなどの情報を知り、リスクを判断するべきです。
 とある街で大家さんとお話しした時に「このあたりは、10年で2割も人口が減ったんですね」とお話ししたところ「へえー、そうなんですか?」といわれた事がありました。人口動静は、その地の市役所や県庁のホームページに必ず掲載されています。
 購入したオーナーの力ではどうにもならない外部環境の変化については、できる限り情報収集をしておきましょう。

過去の修繕履歴

購入前に、過去の修繕履歴を確認しましょう。随分と工事などをしていない物件は、「買った瞬間にエレベーターが故障してとんでもない出費になった」というケースもあります。外壁・防水シートなどは、10年~12年ぐらいで修繕しないと、レンガの落下や雨水の浸透リスクがあります。「もう、修繕しないと危険」→「じゃあ売るか」といったケースはありえます。
 また、旧耐震物件(昭和56年以前)の物件については、耐震性能も確認しましょう。昭和56年以前は耐震基準が異なり、阪神なみの直下型地震に耐えられない構造の可能性もあります。「耐震診断したけど、補強工事費用がものすごく高かった」→「じゃあ売るか」といったケースはありえます。こうした物件で補強しないまま、購入し、地震が起こって入居者に被害が出た場合に、民事で負けて損害賠償責任を背負った人もいます。

これまでのクレーム履歴

「これまでのクレーム履歴を提出してください」こんな要望はいかがでしよう? 高い買い物をするのです。クレーム履歴を管理会社が持っていれば、是非とも読んでみましょう。
 特定のクレーマーがいて、周囲とトラブリ、退去に繋がっている等という事もわかるかもしれません。「ゴミ出しを守らないという苦情」が多ければ、「それだけ入居者の属性が悪い」という事。騒音や清掃に関する苦情から、防音状況やこれまでの管理の質もわかります。

短所と長所を探る

売りに出ている物件には必ず短所があります。当たり前です。だから売るのです。
 そしてそれを承知の上で、買って勝負に出るのです。
 その為には、冷静に短所と長所を知る必要があります。
 そのために「見ないで買う」という前提ですと、「スーモやホームズ等の募集広告を見る」という手があります。
 現地に行かずとも、写真が豊富ですし、仲介の営業マンが、それなりに工夫をして、長所をPRしています。「駅から15分ですが、駐輪場が空いていて、バスも5分間隔で出ています」などといった情報です。
 現地に行かずとも、今は、情報がネットで手に入ります。そして得られた情報で「俺ならイケル」と経営判断して行く。時代は情報戦なのです。
 繰り返しますが、私は「現地を見て買う」ことをお薦めします。しかし、「時部の目で見た」としても、情報を収集してリスクに備えて行きましょう。


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