TOP満室経営のツボvol.32

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.32

2016.02.23

不動産オーナーのSNS活用法

前号で、タレントさんの物件探しがツィートされた事件を元にSNSのリスクについて解説をしました。リスクを聞くと、どうしても「じゃあ使うな」「だから問題だ」とネガティプな話になりがちですが、これも時代の流れ。
とすれば、むしろ、収益物件オーナーとして、上手く活用して行く方法を考えます。

写真はイメージです

不動産会社や物件の弱点を知る

前回解説した、yahooのリアルタイム検索等を活用して、時折、自分の物件名や、懇意にしている不動産会社の検索をしてみましょう。仮にそこに「うるさい」「暗い」「汚い」等といった書き込みがあれば、いちいち悲観的になるのではなく、「なるほど、こんな弱点があるのか」と確認し、参考にするという手があります。
 「うるさい」という原因が上下であれば、カーペットやコルクマットを敷くという手もあります。原因が道路などであれば、二重サッシや防音カーテンという手もあるかもしれません。そうした打ち手の参考にすれば、退去率を抑え、入居率をあげる事ができるかもしれません。
 ソフトバンクはなぜつながりやすくなったのでしょう? 全ツィートを分析し、「ソフトバンクつながらねー」といった不満つぶやきの場所、全てにアンテナを立てた、という話があります。その真偽はわかりませんが、実は、SNSは重要なマーケティングツールとなりうるのです。

「改善されたー」とつぶやかれるかも

実は、こうした対応は、「ツィートを見て対応しました」なんて言う必要はないのです。
 なるほど、こんな声が上がっているのか、と確認し、実際に現場を見て考える。そして勝手に打ち手を打つのです。すると、今度は改善をツィートしてくれるものなのです。
 「○○アパートのお風呂、毎週壊れる」というつぶやきの主が、修理をすれば「お風呂治ったー。もう安心」と今度はポジティブメッセージを発信してくれるかもしれません。「○○不動産の男性が威圧的」といっていた発信者が「今日店長にあったらいい人だったー」とつぶやくかもしれません。ネガティブな発信するほど暇ですから、よいアプローチにも発信は期待できます。

人気のでる演出も考える

SNSを意識し、「話題の物件になる」という工夫も有効です。とある物件では、ひとり暮らしの学生のために、簡単な軽食を出して、それがツイッターでつぶやかれています。また、とある不動産会社では、受験生のために合格神社を本当に神道を招いて設置し、合格グッズも配りました。
 先日、ある不動産会社で餅つき大会があり、見学に行きましたが、参加者は3人でした。それでも元気に社員は餅つきをし、はしゃぐ参加者である子供たちの写真を撮影していました。社長に「3人じゃ、失敗ですかね?」と聞くと、「確かに少なかったけど、いい写真が撮れたね。これをフェイスブックで拡散するんだよ」といっていました。
 バレンタインだから、入居者にチョコを配る。新入生が入ってくるから、先輩達に歓迎会を主催してもらう。エントランスでバザーを開く。地域住民とゴミ拾い・・・。実は、つぶやかれ、シェアされて、勝手に評判を高めてくれるのです。

収益オーナーはSNSに網をはる

社会は、今、どんどん変化します。大量な海外からの観光客を見込んで民泊が解禁されます。4月には電力自由化。ガスも自由化されます。民法改正議論は、原状回復や連帯保証人に影響します。こうした変化は、市場をどう変えているのでしょう。
 SNSはこうした世界を反映します。民泊解禁を歓迎する声や危惧する意見。体験した人の苦情や、儲けている話を読むだけでも勉強になります。電力自由化を危ぶむ声の一方で、「機種変したら、予約のチラシをもらった」等と入居者に響きそうかなと実感が湧きます。「敷金」とリアルタイム検索するだけで、今、どうつぶやかれているか、よくわかります。
 マーケットの定性情報をつかむことは、収益物件の未来を考えるのに役に立ちます。オーナーとして情報感度を高めるには好都合なのです。

うかつにオーナーはつぶやかない

とはいえ、オーナーである皆さんは慎重に。皆さんの名前は契約書に書かれています。名前で簡単に検索されます。フェイスブックに「最近の入居者はちょろい」なんて書いていると、簡単に検索されてしまいます。
 年賀状も、親戚や友達に出すものと、取引先に出すものは違います。個人的な内容は、個人のつながりだけに留め、ご自身のオーナーとしてのアカウントは別にとりましょう。お子さんや食べたお店の写真も本当は危険です。あなたの名前で、今もめている入居者が検索したとして、子供の写真やいきつけの店等は、わざわざみせるリスクは犯すべきではないでしょう。

 SNSはリスクがあります。しかし、それを踏まえて、上手く活用していく。まだ成熟していないからこそ、ライバルに勝てるツールとなりえます。是非ともSNSの有効活用を。土地と同様、寝かしておくより、活用です。もちろん運用リスクはふまえた上で。