TOP満室経営のツボvol.29

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.29

2016.01.06

ネット無料物件が増えている。
時代の徴候や兆しを捉える。

平成元年ぐらいは、「バストイレは一緒」という物件が、賃貸ではごく普通でした。戸数も増やせて、利回りもよくなるので当時は、「ホテルだってバストイレは一緒」とそんなに気にとめませんでした。
それが今や、「バストイレが一緒ではなかなか決まらない」という時代。
では、次はどんな変化が来るのでしょう?

写真はイメージです

変化が来てからでは、
投資効率が悪い

かつては、バストイレは一緒でしたし、洗濯機はベランダで普通。賃貸に畳の部屋は当たり前でしたし、エアコンや温水便座は贅沢品でした。
 ところが今や、「あって当たり前」といわれるのが「バストイレ別・洗濯機置き場・フローリング・エアコン・温水便座」です。
 こうした間取りや設備の流行は、実は、最初の普及し始めたころは割高で、賃貸物件にはあまり付けてないものでした。しかし、今から考えると「迷ったなら、付けておけばよかった」と思えるものです。後から付けるとさらに割高なのです。

躯体の変更を考えると、
後からの投資は非効率

例えば、バストイレを別にする工事は、60万から100万ぐらいかかってしまいます。それだけ投資を行っても、「やっと当たり前の設備が着いただけ」ともいえます。つまり投資回収が可能かどうかと考えると、なかなか厳しい。新築時にその兆しに気が付いていれば、バストイレ一緒になどしなかったのかもしれないのですが、28年も経って気付いても後の祭りです。洗濯機パンのない物件に後から設置するのは、配管工事を伴います。畳をフローリングにする工事も、最初からフローリングの物件で貼り替えるよりも割高。エアコンは換気口が必要ですし、間取りによっては、これまたかなりの長さの換気設備が必要。温水便座も仕様によっては電源工事の手間がかかります。

今、そうした「兆し」があるのが
ネット

さて、では次は何が来るのか。
 まず、考えられるのがネット無料物件です。
 私が調べたところでは、2015年12月9日の段階で、スーモ上では、東京都中央区の18,461物件中、全体の7.6%にあたる1,411件が「ネット無料」でした。ところが新築に限っていえば、中央区新築3,724件中、20.2%の754件がネット無料です。
 同様に、札幌市中央区では、62,949物件中、8.3%の5,238件がネット無料ですが、これまた新築に限れば、5,758件中、29.1%の1,674件がネット無料でした。
 新築の2~3割がネット無料になってきているというこの「兆し」を考えると、「賃貸物件はネット無料が当たり前」という時代もすぐにやってくるのではないでしょうか?
 人口が減り、物件があまり、空室は増えます。こうした中、スマホでの物件探しが8割。そしてスマホがパケホでなくなるという最近の傾向を考えると、いずれ「ネット無料が当たり前」となるかもしれません。特に学生は合格発表も宿題も就職もネットで見る。となれば、6000円~1万円かかるネット代の負担は、家賃同様に大きな負荷であり、ネット無料は「流れ」がきているのだと考えるべきではないでしょうか?
 最近では、一棟単位で大家さんが負担する形式だと、市場価格の半額以下でネット回線がつなげるサービスも出ています。こうした物件は「全戸接続」となっており、「ネット無料」となりやすいのです。6000円のネット代が入居者がタダになるのは、家賃を6000円下げたのと同じ効果。これを半額の投資で大家さんが実現できるなら、大家側も入居者獲得の投資を家賃下げよりも負担なく行なう事ができるのです。

電力自由化も始まる

そして、TVではそろそろ4月の電力自由化を踏まえて、予告広告がスタートしています。気が早いかもしれませんが、来年の正月には「この物件は電気代が安い」といった告知も出る可能性があります。
 一括受電を一棟単位で行なう事で、すでに電気代を安くするサービスが出ています。一棟丸ごとなら安くなるというのは、ネット同様の考え方ですが、割安な高圧受電で棟単位で電力を購入し、各住戸の電気代や共用部の電気代を下げる事ができます。
 つまりは大家さんの機転で、すでに電気代を削減する事も可能なのです。
 ガスも同様です。プロパンガスは工事費等が割安ですが、入居者の生活コストは都市ガスに比べて割高です。将来の人気を考えれば、プロパンより都市ガスのほうが入居者メリットは大きく、プロパンスペースも有効活用ができます。
 半歩先の未来を考えると、新築物件の設備面では、ネット・電気・ガスといった生活コストを下げるトレンドを踏まえておくべきでしょう。