TOP満室経営のツボvol.28

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.28

2015.12.24

家賃を下げる前に確認したい、
ページビューの分析方法

人口が減少し、ライバル物件が増える中、空室が増え、なかなか埋まらない。不動産会社に相談すると、「この家賃じゃ決まりませんよ。もっと下げないと」との事。
でも本当なのでしょうか?
今回は、インターネットのページビューの分析の仕方を解説します。

写真はイメージです

不動産ポータルの
ページビューと反響数を確認する

スーモ・ホームズ・アットホーム。不動産ポータルと一般に呼ばれるこれらのサイトは、お部屋探しをする人が物件を探す時に重要なツールとなっています。
 言いかえれば、こうしたサイトに載っていないのに家賃を下げてもお話しになりません。入居希望者に探してもらえない可能性が高いからです。いくら大根の値段を下げて安いですよと言ったところで、その八百屋さんに人が訪れていなければ話になりません。つまりスーモ・ホームズ・アットホームは、人気の商店街であり、スーパーであり、ショッピングモールです。ここに商品を並べない事には闘いにならないのです。

それでも空室が埋まらない。
家賃を下げる前に見るべきデータ

さて、これらのサイトには掲載されている。しかし入居者がなかなか決まらない。そんなケースも多々あります。さあ、すぐに家賃に手をつけますか。ちょっと冷静になりましょう。
 仲介をする側は、「下げれば楽」なのは当たり前です。しかし、オーナーとしては収益が確実に下がります。ここは冷静に分析をしたいものです。

「検索結果一覧ページビュー」は
どのくらいありますか?

不動産ポータルには何万件、何百万件という物件か溢れています。載せただけでは見つからないかもしれません。こうしたサイトでは、必ず「検索」をします。例えば「○○駅徒歩10分以内の1LDK 家賃7万円以下」といった項目で「検索」をユーザーはします。
 仮に、月間の「検索される数」が、わずかしかなかったとしたら、とても戦いになりません。「○○駅徒歩10分以内の1LDK 家賃14万円」の条件では月に3人しか検索していないけれど、「○○駅徒歩10分以内の1LDK 家賃7万円以下」ならば、月に3万人いる、等という事態では、とても勝負になりません。
 このように、「自分の物件が、検索結果の画面に何回表示をされたのか」を表す数字が「検索結果一覧ページビュー(PV)」です。この数字がいくつあれば十分であるかは、地域にもよりますが、平均よりも明らかに少ないとすれば問題です。駅からの分数は変更不可能ですし、間取り変更もコスト高、となれば14万円の家賃は、完全にマーケットアウトしているというわけで、下げて闘うしかないかもしれません

検索結果一覧PVに遜色がなければ
家賃だけが対策ではない

ところが、検索結果一覧ページビューが、他の物件に遜色がなければ、実は課題は家賃ではありません。
 なにしろ検索はされていて一覧表には出ているのです。でも、部屋が決まらないとすれば、原因は別のところにある可能性があります。

次に詳細画面PVを聞いてみる

検索結果一覧PVがさほど低いのでなければ、次に詳細画面ページビューを聞いていてみて、他の物件に比べて多いのか少ないのか確認してみましよう。
 ここで格段に落ちるとすると、考えられるのは、検索結果画面の一覧表に出ている「写真の差」が大きい可能性があります。そもそも「検索はされている」のですから、ご自身で、検索をされてみるといいでしよう。特にスマホで。もはや8割のユーザーがスマホで探す時代であることは、このコラムで書いたとおりです。
 検索はされている、でも詳細画面を見ない。それが何故かは、実際に自分の目で検索して、前後の物件と比較してみましょう。
 すると「圧倒的に写真の数が少ない」か「圧倒的に写真の質が悪い」という事が大半です。だったら、よい写真にすればいいのです。

次に反響数を聞いてみる

検索結果一覧も遜色がない、詳細画面PVも遜色がない、次に調べるべきは反響数です。こうした数字は、自分の物件の仲介をしている会社に聞けばわかるものです。あるいは管理会社に聞いてもらいましょう。
 そこそこ検索もされている、そこそこ詳しく見てもらっている。なのに、反響がない。これは、情報の中身に問題があります。写真や文章など細部をチェックすべきです。「地域ナンバーワンの○○不動産」なんて言葉よりも「TVモニター付きインターフォンでセキュリティもバッチリ」といった言葉が大切です。暗いリビングや古いトイレの写真ではなく、明るい居室やキッチンの写真のほうが、入居希望者はわくわくするものです。
 この情報の中身が、なかなか魅力的でなければ、リフォームや設備投資をして他の物件よりも魅力的に魅せる必要があるでしょう。あるいは「ネット無料」「都市ガス」「オール電化」など時代の先端をいく付加価値が必要です。
 家賃を下げずにここで踏んばる為には、物件そのものの競争力をあげて、ライバル物件に勝つ事が必要なのです。

次に反響数があるのに
決まらない

さて、このように調べると、実は「反響もちゃんとある」というケースがあります。となると物件の問題ばかりではないかもしれません。
 仲介会社が反響が入っているのにちゃんとしたメールを送っていないので、反響から来店につながっていないというケースもあります。こうしたケースではどういう会社に物件を任せるかもポイントです。
 また、メールの問題ではなく、「反響が入っているのに、他の物件を案内されている」という怒りを覚えるような事態もあります。私がコンサルした物件では、検索結果一覧・詳細PV・反響数いずれも遜色がなく、「決まらないのが不思議」な物件というケースがありました。そこでよく調べてみると、私のコンサルした物件に入った反響者に「ほかにもいい物件が目の前にありますよ」とやられていました。客寄せパンダ扱いで、決定は自社の管理物件となるように誘導されていたのです。
 これはひどいケースですが、反響があるのに内覧が少ないというケースには注意をしましょう。

内覧して決まらなかったら、
営業マンに理由を聞く

さて、次に調べるべきは内覧の数です。今月何人が見に来たのか。
 「検索結果一覧」→「詳細」→「反響」→「内覧」→「成約」という流れを考え、各々の数字に遜色がなければ、「内覧しても決まらない」ということに課題があります。
 こんなときは、おそらく「内覧したけれど、ほかの物件に決まった」という可能性が高いはずです。そこで実際に案内した営業マンに「なぜ決まらなかったか」を聞けるとベストです。
 たとえば、私の経験では「いやー、部屋が暗くてほかの物件に決まったんですよ」といったケースもあります。別に北向きというわけではなく、決まった物件とたいしてかわらない向き。実は決定した物件は電気がついていて、決まらなかった物件は電球をはずしていた。そんなことがありました。だったらとても明るい電気をつければ家賃を下げなくても決まります。
 もちろん、間取りや築年、あるいは設備面等で、内覧時に負けてしまうというケースもあります。築年は簡単に変えられませんから、リフォーム等の投資が必要なケースもあるでしょう。賃料や初期費用の低減等の措置も必要かもしれません。
 しかし、こうしたケースでも、「なにかがあれば、勝てた」のかもしれません。それは玄関の花だったかもしれませんし、窓ガラスの防音だったかもしれません。こうしたヒントは現場で顧客と接した営業マンが持っています。
 「検索結果一覧」→「詳細」→「反響」→「内覧」→「成約」の流れの中で、どこで停まってしまっているのか。そこを確認する事は、投資家として科学的に対処するヒントとなるはずなのです。