関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.24

2015.10.20

賃料ダウンは、底値なのか?

前回は世帯数減少と空室の増加について論じさせていただきました。競争に打ち勝つには、仲介不動産会社は「家賃を下げましょう」といってきます。
さてさて、彼らのいいなりになっていてよいのでしょうか?

写真はイメージです

リーマンショック以降、
23区の賃料は10%以上ダウン

図表は、東京23区の平均賃料推移です。財団法人東日本不動産流通機構/首都圏賃貸居住用物件の取引動向のデータより、当プリンシプル住まい総研が経年比較を行いました。この図を見ると、2008年9月15日のリーマンショックをきっかけに、23区の平均賃料は、12万3000円から9万7000円まで、ざっと2万6000円下がっています。
 おおよそ、2012年までの3年間に1~2割も下がったことになります。この間国民の給与取得も景気低迷の影響を受け、419万から350万に17%下がっていますが、10年間で緩やかに下がっています。つまり最初の7年間は、家賃は前年水準を維持していましたが、2008年のリーマンショックをきっかけに、わずか3年で大幅に下落したということになります。

あの日なにがあったのか

リーマンショック・・・古いですね。2008年当時、皆さんはなにをされていましたか?
 あの日、海外から来ていた富裕層は一気に、帰国しました。例えば、山手線内の高級賃貸は、大量に空いたのです。急激な需要減で、都心の募集賃料が下がりました。すると、今度は千葉・神奈川・埼玉から「都心が安くなった」と移動する都心回帰が起こります。このようにドミノのように、わずか3年で、10%以上賃料相場が下がったのです。
 さて、この数字がずっと下がり続けているかというと、そんなことはありません。3年ほどで、「下げ止まって」いるのです。

3年で下げ止まる

2008年からの動きを見ると、3年で下げ止まっています。なぜでしょう?
 実は、賃料を1割2割と下げてしまっては、利回りの確保が難しくなるのです。しかも3~4年で賃貸は入居者が入れ替わります。つまり3年間賃料を下げて闘った大家さんは、そこから先は、下げてしまうと利益がなくなってしまうという可能性があるのです。
 もちろん、築35年を超えて、借金を払い終わっている物件であれば、たとえ家賃を1000円にしてでも「空けるより入れておいた方が利益が出る」というケースもあります。しかし、大半の物件は購入時の借金があるため、賃料ダウンには限界があるのです。
 と、考えれば、今、「賃料を下げずにむしろ物件の付加価値をあげて闘に勝つ」という転換が必要です。苦しくなって家賃を下げて入れて行っても、その先には、バラ色の未来はありません。ただし相場とかけ離れた賃料では、ネットで募集しても検索すらしてもらえません。相場ベースは重要です。その上で、その相場を維持しながら、他の物件にはない、キラリと光る個性をひとつでもつける事。これが大切なのです。
 この闘いに勝つためには、物件を磨く工夫が必要です。競争が激化するからです。是非とも、不動産会社と膝を交え、今、どう磨くことが空室対策となるかを考える。それが、まさにオンシーズン前にすべき経営課題といえるでしょう。