TOP満室経営のツボvol.15

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.15

2015.06.04

区分所有と一棟保有。
長所・短所を理解しましょう。

収益物件をお持ちの皆さんは、複数のマンションに住戸単位で区分所有をされている方と、一棟もので、建物を所有されている方、あるいはその双方をお持ちの方がいらっしゃいます。
初めて収益物件を所有される方も含めて、区分所有と一棟保有のメリット・デメリットを整理しておきましょう。

写真はイメージです

区分所有では、共用部は
マンション管理組合での決議が必要。

一棟物件を所有するということは、建物全体の大家さんになるという事です。大家でありますから、例えば防水シートの張り替えや、貯水槽の清掃。あるいは壁面タイルの補修などの大規模修繕工事等も大家さんとして、自分が行なう事になります。
 「なんだか面倒臭そうだな」と感じるかもしれませんが、例えば、10年前のデザインの外観やエントランスで人気が落ちている物件。空室が気になりだしていたら、大家さんという立場で、修繕投資して入居率を改善するという事もできます。
 一方、区分所有の場合は、こうした共有部は、マンションの管理組合の決議事項となります。雨漏りがするから直そうよ、玄関の郵便BOXが壊れたままだから直そうよ、入口の花が枯れているから変えようよ、と思っても、全て管理組合で投票して決議しなければなりません。例えば「隣のビルがうるさくて退去が続いているので、二重サッシを入れて対策しよう」と考えても、窓は共用部のため、管理組合での決議が必要なのです。
 つまり世帯数が減少し、競争が激しくなる今日、物件の劣化やメンテナンスで共有部に手を入れるつもりがあるのであれば、一棟保有のほうが、自分の才覚で運営できるということになります。
 言い換えれば、修繕積立金や共益費の決裁権限を持つという事でもあり、収益還元も高く、賃貸経営の醍醐味を味わうのであれば一棟を保有してその経営を切り盛りする方が面白いといえます。

リスクを分散するなら、区分所有

ここの変化は、グラフのように若い人のほうがはるかに進む一方、区分所有の魅力はリスクを分散できるということです。
 一棟所有は、その一棟に住戸分の投資を行うわけですから、リターンが大きい分、リスクも高まります。
 例えば、近隣大学の移転や企業・工場の撤退があると、棟全体の空室率が上がり、大きな収益ダウンを受けます。あるいは、土壌汚染や液状化、震災や台風等の被害も一棟がそのまま受けてしまいます。殺人事件や自殺などのいわゆる「事故」があった場合も、棟全体の人気がダウンするというリスクを背負います。
 一方で、同じ戸数の住戸を、西に東にと全く違うエリアの違う物件で所有するということは、リスクを分散する事ができます。
 株で例えれば、ひとつの株式銘柄を保持して経営に参加する醍醐味はないものの、沢山の株式に投資をすれば、様々な変動リスクを抑える事ができるというわけです。

最初は区分所有から。
10戸ぐらいになったところで、1棟に挑戦。

こう考えると、まずは、区分所有で違うエリアや違う街で、投資を分散化して始める方が初心者向きといえます。株式投資でも、いきなり、大量の株を一社で買って勝負をかけるよりも、分散化して、少しずつ様々な業種の株を買ったり、投資信託等の運用から始めたりするほうがいいという話に似ています。そして、20戸位の区分所有を持つようになった所で、10戸を売却して1棟物件に切り替えて行くような投資の仕方をして、少しずつ増やして行く方が、リスクは少ないのではないでしょうか。
 ところが、不動産投資では、「親からマンションを相続した」「先祖代々の土地を農業からマンションに変えよう」と、「いきなり一棟の大家」になることがあります。こうしたケースは初心者がいきなり会社経営をするという事に近く、リスクは大きくなります。

プロのアドバイザーを身近にもつ

このように、初めから一棟物件の大家さんになる事も少なくない不動産経営ですが、素人では、知識も経験も足りません。そこで収益物件の経験豊富な不動産会社をパートナーとしてたよりにする事をおススメします。
 経営ですから、時には、「このタイミングで売る」あるいは「別物件を買う」という選択肢もあります。ところが、賃貸物件の管理が得意な会社であっても、収益物件の売買が苦手な不動産会社も存在します。「管理力」「仲介力」そして「売買力」のバランスのよい不動産会社をパートナーとして行きましょう。
 また、「管理力」「仲介力」「売買力」の各々の中で、得意とする分野が違う不動産会社もいます。そうした場合は、管理・仲介・売買を分けて考えて、それぞれの分野のプロとして付き合うのもよいでしょう。そう、ここでも不動産会社ごとの得意分野を見極めて、相談を「分散」することが大切なのです。
 変化の激しい今日、区分所有・一棟保有のメリット・デメリットを理解して運用して行きましょう。