TOP満室経営のツボvol.13

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.13

2015.05.08

一代で終わる会社には託せない。
不動産会社の事業承継。

大家の皆さんにとって、物件は大切な資産。孫子の代まで、その資産をどうつないでいくのかは、とても大切な事です。一方、そのパートナーである管理会社はどうでしょうか?頼りにしていた経営者の後継者は育っているでしょうか?大手家具メーカーのお家騒動のような事が起こったり、創業者がいなくなった途端にサービス提供が落ちてしまったりするようでは、末永く物件を任せられないものです。

写真はイメージです

物件の相続対策が必要なように、
企業の事業継承も大切。

大切な資産である賃貸物件。国の施策は、相続税をあげていく方向にあり、資産継承はなかなか難しくなっています。駐車場にしておくよりも賃貸物件の相続税が安くなるのは、比較的知られている事ですが、賃貸物件をどう孫子の代に引き継いで、安定的に家賃収入を得て行くかは、長期的な展望と経営戦略と同じようなビジネススキルが必要です。
 そんな時に頼りになるのは、毎月の家賃の収納代行やクレーム対応をしてくれている管理会社です。物件を買った仲介会社、あるいは建設した時のハウスメーカー等も相談には乗ってくれますが、毎月物件に接している管理会社は重要なパートナーです。
 「どんなクレームが増えているのか」「いつ頃どんな修繕が必要となるか」「退去理由はどんなものが増えてきたか」「募集戦略は賃料ダウンか、設備投資による資産価値の向上か」といった会話にこそ、賃貸経営の大きなヒントがあります。

では、その管理会社の
10年後30年後は?

日々のアドバイザーとして頼りにすべき管理会社は、10年先、30年先はどうなっているのでしょうか?
 私は、各地でコンサルティングをしておりますが、不動産会社というのは、大概、素晴らしいリーダーシップを持つ創業者がぐいぐいと引っ張っています。とても個性的な方が多く、大半の会社が、この創業者の個人の方針で経営されていると思います。これは規模の大小は問いません。何万戸という管理戸数を持つ会社であっても、何百店舗と仲介店舗を持つ会社であっても、創業社長の意向が強く、その意志とマインドがここまで大きくしてきたと感じます。
 これは決して悪い事ではないと思います。カリスマ経営者がおらず、何代も創業家とは関係のない社員が経営者となる事の方が、実は、大家さんにとっては、不安なものです。コロコロと経営者が変わり、「以前の社長の時代には、あなたの物件も大切に管理していましたが、もう経営者も変わり経営方針もなにもかも一新いたしましたので、あしからず」といわれるとしたらとても不安です。それよりは、信頼できる創業社長のほうがずっと面倒をみてくれると感じるのではないでしょうか?
 では、10年後、いや30年後はどうでしようか?
 あなたの信頼したカリスマリーダーは、今から30歳の年齢を重ねます。あなたの物件も古くなり、管理会社の経営者も歳をとります。もしかしたら、お亡くなりになるかもしれません。その時、あなたの大切な資産の相談相手は、誰になるのでしょう?

二代目三代目が見えるか?
奥様か大番頭さんはどうか?

物件の将来が心配なように、管理会社の将来も大家さんは関心を持ちましょう。
 例えば、創業社長が息子や娘に譲るつもりであると語っているのであれば、一安心です。経営のバトンは親族につながれ、大家さんと物件が歳を取っても、パートナーたる不動産会社は若返りを計画にしていくからです。小さい頃から親の仕事ぶりをみていた親族が、しっかりと経営を学び、経営を引き継いでくれるのではないでしょうか。
 また、管理会社の経営者に不慮の事故等があった時にも、社内にしっかりした大番頭さんのような存在がいたり、奥様が不動産経営に参加していたりすると安心です。二代目が育つまでの期間は、大番頭さんと奥様がしっかりとタスキをつなぎ、二代目につないでくれる安心感があれば、末永く、賃貸経営のパートナーとなる事でしょう。

もし、将来の継続性に不安を感じたら

一方で、「俺は絶対死なない」「死んだ後のことなんか考えていない」という経営者もいます。強い意志で、仕事もできるし、今は頼りになる存在。すぐには管理会社を変えるつもりはないものの、もし、彼になにかあったら、とても社員や後継者には不安を感じるという大家さんもいるのではないでしょうか?
 そうした不安から、大手の管理会社を併用している大家さんもいらっしゃいます。リスクヘッジとしては正しいのですが、必ずしも、大手の組織体制がしっかりと管理物件の空室対策を提案してくれるとは限らないものです。「事業が続く」という事と「良質な提案が続く」という事は、同じ事ではありません。
そうした不安がある方は、ズバリ、その不安をカリスマ社長にぶつけてみましょう。経験豊富で知識も実力も高いその経営者に、「後継者を育てる責任」を促しましょう。仮に彼が50年生き続けたとしても、入居者の感性や新しい空室対策をとりいれる為には、やはり若手の登用は必要です。今、大家さんは、管理会社を変える事は簡単にできます。しかし、あまりよく知らない方にいきなり託すよりも、その経営者を「育て、励まし」、若手を「一緒に活かして」行く方が、楽しいのではないでしょうか?