TOP満室経営のツボ募集vol.120

関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.120

2019.11.12

オーナーも歳をとり、物件も歳をとった。
それでも高齢者は入居させませんか。

高齢社会はまっただ中。
人口減少の状況の中、一方で高齢者は増加しているのが
我が国の実情です。
そこで高齢者の入居募集に関する今後のトレンドを解説します。

写真はイメージです

国が発表した「不動産ビジョン」

 国土交通省は、不動産業ビジョン2030と題して、不動産業の将来像について語っています。時代の要請や地域のニーズを踏まえて、不動産の活用を通じて、個人・企業・社会にとっての価値創造の最大化=不動産最適活用を宣言しています。むやみやたらに建てたりするのでなく、これからの時代に必要とされるもの、地域のニーズなども踏まえて計画性を持っていこうと言っています。

高齢者の入居に
拒否感を持っているオーナー

 そう考えると、今、日本は超高齢社会です。なんとか業界全体でこの問題に立ち向かわねばなりません。
ところが、業界団体の調査によると、高齢者の入居に拒否感を持っているオーナーは8割います。
 増え続けている高齢者。もはや日本の人口の1/4が高齢者となろうとしています。持ち家率の高い高齢者ではありますが、それでも賃貸に暮らしている方は沢山います。なぜ8割ものオーナーが拒否感を持っているのでしょう。

孤独死のリスク

 まず、高齢者を受け入れる際に不安となるのが、孤独死の可能性です。仮に夫婦で暮らしたとしても死別や離婚となり一人暮らしとなったときに、亡くなっても近所づきあいもなく気が付かないのではないか?
 死後、1~3か月も経過してから発見されてしまうと、自然死なのか事件なのかもわかりません。
 すると近所に聞き込みが入ります。捜査しなければならない為です。「●号室に住んでいた方と、挨拶などされましたか?」「どなたかと揉めていたりしませんでしたか?」「日頃尋ねてきた方はいましたか?」いやおうなしに風評も広がります。
 部屋の原状回復にも多額の費用が掛かります。徹底した消臭やフローリングなど床材の交換も必要かもしれません。
また、家財が相続拒否されると、オーナー側で処分の費用が掛かる事もあります。
 次の入居希望者はなかなかいません。家賃も下がり、ほかの部屋の入居にも影響が出るかもしれません。

滞納のリスクもあがる

 また高齢者の多くは、ビジネスの世界から引退していることもあります。年金で生活をしていくとなると、収入が少なく、家賃滞納のリスクもあります。
 元気な時に夫婦で入居した人も、仮に離婚や死別となり、単身生活となると、年金も一人分ということになります。なかにはご家族との関係が疎遠となっている人もいて、保証人がいないということもあるでしょう。

近隣とのトラブルの可能性

 高齢な入居者は、近隣とのトラブルの可能性も気になります。痴呆による徘徊や、若い世代となかなか会話が通じないこともあります。生活スタイルも異なり、早寝早起きから、騒音などの苦情の原因になることもありますし、自らクレームを訴えることも多いかもしれません。
 しかし、こうした先輩たちがいてこそ、今の日本がある。戦後の日本の復興を築き、ハードワークで頑張ってきた大先輩です。

国は、積極的に高齢者の入居を
応援しています。

 このような家主さんの不安を解消するべく、
国交省では単身入居者のための受入れガイドというものを作成しています。契約前・入居中・死亡後の留意点等を記載しています。損害保険や家賃債務保証業者など利用できる制度も国が紹介しています。
 不安な面もある高齢者入居ですが、推進するには、どうしてもオーナーの理解を進めていくしかありません。

満室経営をするための、
新しいターゲット

しかし、高齢者は今後間違いなく増えます。今後空室が増えていくことを考えると、有望なマーケットとして改めて考えていくべきでしょう。

火災保険・損害保険の利用

 出費に関しては、保険で賄うという手があります。「孤独死保険」と呼ばれる商品です。もしものときに備えておくことは、いざ、出費が出た時の損失の軽減に役立つでしょう。

科学技術で、孤独死を防ぐ

 かつては、「おじいちゃん元気かな」と毎日訪問をして、高齢者を受け入れる方もいました。しかし、それではオーナー側の負担も大きいものです。そこで、今は、ITの技術で孤独死のリスクを下げようというサービスも出ています。「トイレのドアが丸一日あかないと、家族や警備会社にメールが入る」といったサービスです。こうした技術は日進月歩です。
 物件も歳をとり、オーナーも歳をとります。これは誰もが避けることが出来ない未来です。リスクを抑えて、高齢者の入居を検討していきましょう。