関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.119

2019.10.28

ゴミ出しのルールを守らない。
そんな時の対処法。

収益物件のオーナーにとって、入居者が起こすトラブルが一番面倒です。
なかでも騒音とならんでトラブルとして多いのが「ゴミ出し」のルールです。
今回はどうしたらゴミ出しのルールを守れるのかについて、解説します。

写真はイメージです

ゴミ出しの曜日を守らない。
分別が出来ない

 燃えるごみは、●曜日と●曜日。資源ゴミは●曜日。大型ごみは、コンビニでゴミ出しのシールを買ってきて、役所に連絡して取りに来てもらう。ペットボトルのキャップと包装はとり、水道でゆすいでからだす。
 日本のゴミ出しのルールは、自治体や物件により様様であり、「まえ住んでいた地域のルールと違う」と戸惑う入居者が多いのも事実です。

ゴミ出しが守られない物件は
入居率も悪い

 朝、玄関近くに、ゴミが出されている。カラスがつついて、惨憺たるありさまだ。というか、ゴミ収集車はもう、とっくに行ってしまった後だ。
 今日は燃えないゴミの日なのに、燃える生ごみが出ている。収集車がもっていかなかったのだろう。一方で、出し遅れたゴミの袋もある。夏は臭いし、朝から気分が悪くなる。
 こんな物件には、長く住むのは嫌だな、と感じる。生ごみをカラスがつついている姿を見ながら、スマホで部屋探しを始めようと決意した。
 こんな風に、ゴミ出しのルール違反は退去を呼ぶ。逆に内見時にゴミ置き場を見れば、その物件の人のモラルがわかるというものである。
 ではどうしたら、ルールは守られるのでしょう。

最初が肝心

 まず、入居時の人物審査と、ゴミ出しルールの説明が必要です。管理会社や仲介会社から、しっかりとルールを説明し、そうしたルールを守ってくれそうな人を見極めて入居させるべきです。最近は家賃滞納ばかりに気が行ってしまい、保証会社の審査任せで、収益物件オーナーが、入居審査を行っていないということもあります。
 しかし、何事も最初が肝心。あれこれ沢山の事を言うよりも、「騒音」と「ゴミ出し」は、共同生活を送る上でのベースのモラルです。ビシっと言ってもらうようにしましょう。

ルールをわかりやすく

 行政のルールは地域ごとに異なります。賃貸物件では、遠い全く別のルールの街から引っ越してくる方もいるものです。そこで、行政の配布物だけでなく、「ハイツ●●で暮らす方へ」といった「ここだけは守ってくださいね」という内容を書いたガイドを渡すのも効果的です。「これ貼っておいてね」「これは絶対守ってね」と言っても人間は忘れる生き物です。
 だからこそ「これだけ見ればわかる」という紙。これを入居者本人に渡すとともに、掲示板などに貼り出しましょう。

日々のルール順守は、遠隔カメラで

 ルールを守れない人がいる一方で、ルールを破りやすい物件というものはあります。ゴミ置き場は基本的に人目に付き憎い場所にあり、ルールを守らなくても、だれが犯人かよくわからない。つまり、物件に「付け入る隙がある」のです。
 かといって、ゴミ置き場で立って監視するというのは非効率です。そこで効果的なのが防犯カメラです。
 今や、日本中にカメラがあり、犯罪の抑止にもつながっています。賃貸物件はまだまだ防犯カメラが普及していませんが、「防犯カメラ監視中」という札があるだけでも、違反者は減るものです。
 「このまま、ゴミのルールを守らない方が多いと、監視カメラを導入しますが、その際は、その分のコスト負担を共益費として全員にお願いします」と書いてある物件もあります。ちょっとした脅しですね。
が、それはお部屋探しをしている人が見て「この物件の入居者はゴミのルールも守れないのか」とか「自分がルールを守っていても、共益費があがるなんて不公平だな。借りるのよそう」と、募集にマイナスとなるかもしれません。

犯人捜しで、ゴミの中を空けるのは
やめましょう

 「いったい、ルールを守らないやつは誰だ」とゴミ袋をあけて中身を詮索するという方もいるかもしれませんが、プライバシーの侵害に当たります。はい。ルールを守らない人のゴミであってもです。ゴミ袋には「他人に見られたくないものも入っている」ものです。くれぐれも中身を見て、犯人を捜そうとなどしないことです。
 ゴミ置き場にネットワークカメラを置けば、オーナーも管理会社も、スマホから巻き戻して確認することも出来ます。夜も赤外線で、ばっちり映ります。

カフェの勉強用のカウンター

 先日、駅前のカフェに行ったところ、電源がついていて、「充電どうぞ」と書いてありました。スマホが出たばかりのころは、電池切れを防ぐため、カフェで充電するお客様に対し、それを阻止しようとコンセントにガムテープを貼る店側の確執がありました。
 勉強部屋がわりにカフェで、教科書を拡げる学生もいます。カフェ側は店の回転率が落ちる為、「当店では、長時間の勉強などはお断りです」などと書いてあるところもあります。
 しかし、最近は、お客様向けに、スマホ充電のコンセントがあるお店のほうが流行っています。先日は「勉強可」という店もありました。「そのかわりカウンター席で」などと書いてありました。

ゴミ箱を買いましよう

 こうした、カフェのように、「叱って店のルールを守らせるよりも、スマホの充電をしたい人や、カフェで勉強したい人がいる」とビジネスチャンスと考える手法もあります。逆転の発想です。
お勧めするのは、「ゴミのルールを厳守させる」のではなく、「どうせ守れない人もいる」前提で考える事です。ゴミ置き場に蓋の付いたゴミ箱を設置する。
ふたがあれば臭いは出ません。
犯人を捜して、しっかり店子のしつけをするよりも、「どうせ守れない」と考えれば、大きなゴミ箱を買うという発想の転換です。

「24時間ゴミ出しOK物件にしよう」

 「最近の入居者は、ゴミのルールが守れない。けしからん」と考えるか、「最近の入居者はゴミのルールも守りたくない→彼らは24時間好きな時にゴミを出したいというニーズがある」と考える、もしくはそうだとすると、ゴミの倉庫には24時間ゴミ出しOKとして、ゴミ収集場にゴミ箱を毎週運んでもらう、という手もあります。賃貸ではそういう物件は希少価値があるのです。