関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.116

2019.08.21

不動産テックが
大家にも訪れる日

賃貸フェアや日管協フォーラムに行くと、
不動産テックが目白押し。
アルファベットやカタカナが並ぶが、
さて収益物件オーナーはどうしたらいいのだろう。
今回は、大家さんにとっての不動産テックを語ります。

写真はイメージです

まあ、「関係ない」で大丈夫

 賃貸フェアに行くと、「AIチャット」「VR内見」「自動音声物確」「IT重説」「電子申込」「電子契約」「スマートキー」「OCR」「RPA」と不動産テックが花盛りだ。収益物件オーナーとしては、かつての「海外投資」「区分所有物件投資」「室内物干し」「リノベ」「壁紙交換」などのブースを探すものの、めっきり少なくなり、さてどこで話を聞こうかと途方に暮れてしまうかもしれない。世の中は不動産テックで盛り上がっている。
 しかし、一部の「家賃明細送信システム」や「AI賃料査定」以外は、実はまだ収益物件オーナーには「関係ない」のが実情なのです。そのほとんどは、不動産会社が導入して効率化を図るためのサービスで、収益物件オーナーのためのものではありません。安心してください。

お部屋探しのやり取りが
「チャット」になる

 お部屋探しは、既に図面やチラシではなく、スマホでスーモなどのサイトを見て「この物件いいな」と反響を入れます。この反響のやりとりが、これまではメールでやりとりしていましたが、今やLineやチャットになっています。そしてAIが自動で「ほかにもこんな物件いかがですか?」などと、やり取りをする事が始まっています。とはいえ、それは仲介会社と入居希望者の話です。あまり心配はしなくて構いません。
 が、この流れになると、「オーナーと管理会社のやりとり」も「Lineやチャット」になるかもしれません。電話や対面のほうが印象はよいと思いますが、既に、仲の良い管理会社の社員と、「先日の原状回復は終わりましたか」「こんな状況です」というやりとりが、Lineという収益物件オーナーもいるでしょう。

写真は360度。
バーチャルリアリティ

 入居希望者さんが、「お部屋を見たい」と思っても「まだ前の人が住んでいるので室内が見れない」というケースもあります。こんなときに、ゴーグルのようなものをつけて、「こんな室内ですよ」と「バーチャルリアリティ(仮想現実)の画像」で見れるようなものも増えています。
 こちらも当面は、収益物件オーナーには関係ありません。仲介会社や管理会社が対応する事となります。ご安心ください。
 とはいえ、360度をぐるっとみれる画像を不動産会社が撮影するのですから、その画像で、「原状回復工事が終わった様子の写真をお送りします」と送ってくるケースもあるかもしれません。パソコンで見れるので心配はありません。

パソコン業務が自動化されるRPA

 また、パソコンでの定型的な仕事をパソコン側で行うRPAというシステムも不動産会社に、どんどん取り入れられつつあります。取り入れられたところで、収益物件オーナーには特に関係ありません。今まで通り、不動産会社で対応したデータや書類が送られてくるので受け取ればいいだけです。
 ただ、税理士さんに確定申告を行う場合は、不動産会社から送られた書類を、また税理士さんがパソコンで入力するため手間も時間も労力もかかり、それが事務作業代としてかかっているケースもあるでしょう。ご自身で確定申告される収益物件オーナーも同様に手間がかかります。ということは、Excelなど処理しやすいデータでのやりとりが今後進んでいく事でしょう。

電子申込・電子契約

 もっとも不動産会社の作業の中で、手間がかかっているのが、申込や契約のやりとりです。これまで宅建業法では対面を基本として、書面でのやりとりを行っていました。
 これが、パソコンやスマホの動画画面で重説を行う事が可能となっており、IT重説と呼ばれています。それでも書面のやり取りは必要でしたが、今後はPDFなどの電子書類でも良いと解禁される方向にあります。
 これも収益物件のオーナーにとっては特に変化は今のところありません。オーナーへの書類は今まで通り届き、捺印して控えを保管すればよいだけです。しかし、この先は、収益物件オーナーもパソコンやスマホの画面で「承認ボタンを押して、契約する」という事が進んでいくかもしれません。まあ、その時も、その画面を見て、ボタンを押すという程度です。恐れる事はありません。
 とはいえ、こうした取り組みは次第に進んでいきます。自主管理ではこうした社会情勢に対応していくのはなかなか難しいかもしれません。新しい時代の流れに即した不動産会社の進化に期待していきましょう。
 当面は、収益物件オーナーが不動産テックに振り回される必要はありません。ゆっくりと見守っていきましよう。