関西の大家業をもっと楽しくする
ヒント集
vol.113
2019.07.16
照明のスイッチと鍵の
高さ。
収益物件オーナーとしては、暮らしを提供する仕事のプロとして
様々な知識が必要です。
今回は、図面からは読み取りにくい「照明のスイッチと鍵の高さ」についてです。
写真はイメージです
単身とファミリー住居で
変えるべき、照明のスイッチの高さ
2Fは単身で、1Fはファミリータイプの住居という、一棟の中で間取りの違う物件もよくあります。単身は、半数が女性であり、1Fは防犯面を気にしてからなかなか決まりません。逆に2F以上は、子供が走り回ると下の階に音が響くなどの事情で、単身をターゲットにした住居とする物件もあります。(その逆にして苦戦している物件もありますが、あまり王道ではありません)
ここまでは考えても、なかなか照明のスイッチの高さまでは気が回らず、同じ仕様にしてしまっている収益物件オーナーは多いのではないでしょうか。
子供が住むという前提で
利便性を考えてみる
なにも指示しなければ、スイッチの高さなんて全部同じになります。しかし、ワンルームには大人がひとりで住み、2LDKには、子供が住む可能性があるということです。となると、照明のスイッチは、後者は低くしてあげると利便性が高まります。
特にトイレのスイッチ。ひとりでトイレにいけるようになっても、スイッチに子供の手が届かない。するといつまでたってもひとりで用が足せないということです。
「電気付けてー」と泣き叫ぶ子供に
「そろそろ買おうか」と
背中を押される?
ひとりでトイレにいけるという自信が子供につくころ、親世代はまだまだお金はかかるものの、産休からの復帰や収入の安定、あるいは貯蓄の増加などで、物件購入を検討するようになります。
そんなとき、収納や部屋数の問題だけでなく、「子供の暮らしやすさ」の課題は「そろそろ買おうかな」という動機になりやすいものです。
せっかくトイレにひとりでいけるようになったのに、トイレの電気のスイッチが届かない。「パパ、トイレー」「もう幼稚園でもひとりで行っているんでしょ」「電気がとどかなーい」というシーンは、親にとって、「そうか気が付かなかったな」と「買おうかな」と思い起こさせるきっかけになるかもしれません。
では、鍵の位置は?
なるほど、子育て世代を考えると、照明のスイッチの場所は、すこし下にすると良いのですが、では、家の鍵はどうでしょう。
「トイレにひとりで行く」という自律性に比べると、「勝手にドアをあけられる」のは、子育て世代にはあまり快いことではありません。むしろ少しドアの隙間を空けて風通しを良くするような際に、子供が出ていかないような工夫が出来るドアのほうが良いでしょう。トイレに比べると、もう少し年齢が上がってから鍵に届くぐらいでよいのです。
では、収納は? ベビーカーはどこに置く? 砂場のおもちゃは?
生活空間を世代にあわせて考えると、ひとり暮らし部屋とファミリーでは、平面の図面とは違う、「高さ」の概念も加えて、考えていくと良いでしょう。