関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.109

2019.05.13

「家賃を上げる」という
新しい選択。

全国的に築古の家賃は下がっています。
物件の供給が堅調であるのに、人口は減少。
需給バランスが崩れ、今年のまたひとつ我々の物件も
歳をとった。空いたままではたまらないので、
家賃を下げてなんとか闘う。
時は「令和」。時代の逆張りで、家賃を上げてみませんか?

写真はイメージです

消費税があがる

 さて、現時点では消費税が予定通り10%に上がる事になりそうです。ということは、管理料も募集経費も電球代も修繕費も、消費税アップ分あがります。諸経費があがっていくのには家賃に消費税はかかりません。出費が増えていく中、収益を確保するには家賃を上げるという選択はありえます。

新築の賃料が高い

 今、新築の賃料が「高い」。これは、木材もRCも原材料費を輸入に頼っている我が国では円安の影響で、建築コストがあがっています。また人件費も五輪に万博と開発案件し目白押し。加えて働き方改革。建築人件費が高騰しているため、建築費がかなり高いのです。消費税前の駆け込みの仕事も多いようで、建築コストが高い。となると新築物件の利回りを確保するために、新築物件の賃料が上がっているのです。

どうせ空くなら、単価を上げる?

 たとえば、10万円の家賃で10戸の物件は月間100万の収益です。9万円にして満室にしたら90万円の収入ですが、実は、10万円でふんばって、1部屋どうしても決まらなくても、月額90万円。
 この計算で考えると、8万円、7万円と「下げて満室」を狙う戦略と「10万円のままで、1部屋2部屋と空いても辛抱する」という戦略は、実は収支は一緒です。まさに我慢比べ。
 もちろんこうはならないのは、空いた一部屋を空けておくぐらいならばと、下げてでも収益を確保しようとライバルもするから。全国の収益物件オーナーが「我慢比べ」するとか「談合して下げないと決める」とかとしないと、だれかが下げるので、相場は下がります。
 そうです。「相場が下がっているのに、自分だけ下げないで闘っても空室が増えるばかり」というのは、みんなが下げなければ相場は下がらなかったはずで、価格競争はまさに神の見えざる手により、需給バランスに影響されています。

人口が減っているのに
家賃が上がっている街がある

 なんと、実は全国を回っていると、人口が減っているのに、家賃が少しずつ上がっているエリアがあります。不思議ですね。この街では「慣例として」退去があると、みな、ちょっと上げて募集するのだそうです。人口が減り街は空室が多いのですが、新築は相場より割高の家賃ですし、築古もそこそこ高めの賃料で募集されています。すると、入居者は「まあ、この街ではこれが相場」とその中かから選択します。不思議です。この街では、空室率が上がっていますが、家賃も少しずつ上がっているという現象で大家さんも守られているのです。

あげるには「よくなった」
という裏付けを

 もちろん、単純に募集賃料をあげてもダメでしょう。1000円上げるなら、1000円分、ネットがタダだとか、温水洗浄便座がついているからとか、24時間かけつけサービスがついているから、と付加価値向上は必要です。しかし、そうして物件を良くしていくと、自然と長期入居者が確保でき、かつ、満足度も上がっていきます。
 新築の賃料が高い今はチャンスです。ちょっと付加価値向上して、その分、共益費や管理料の名目で次の募集は高めにしていきませんか? アベノミクスとは、物価をあげて景気を高揚する施策でもあります。
 普通の発想の逆を考えてみる、新しい時代ですね。