関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.108

2019.04.24

自分が住みたい家。
知り合いに薦めたい家。

物件価格はまだまだ高く、一方で家賃相場が下がり空室が増えると利回りが悪化します。
なかなか良い出物はなく、手持ちの物件からの収益が悪化しているオーナーも多いのではないでしょうか? さて、そんなのあなたの物件は、あなた自身が住みたい物件ですか?

写真はイメージです

所有している物件に
住みたいですか?

 「自分の収益物件に住みたいか?」と聞かれると「なにをけしからん」とおっしゃる方もいるかもしれません。
 所得水準の高い収益物件のオーナーと、賃貸物件の入居者では、求める生活レベルは当然違います。大学病院の院長先生が投資用のワンルームマンションを買ったからと言って、決して、自分が住む前提ではありませんし、過剰な設備仕様にしては利回りが悪化する事でしょう。
 リーズナブルなファーストフードを売っている会社の社長は、大企業の経営者ですから豪華な料理を毎日食べているかもしれません。
 ですから、「自分の所有物件に住みなさい」と言っているわけではありません。でも、あえて聞きます。住みたいですか? 

私たちが食べ物を
扱っていたら

 先程、食べ物の話をしました。最近、インスタントラーメンの発明者の連続ドラマが人気でした。この会社の経営者は毎日、そのカップ麺を食べていたそうです。自分が食べないとアカン。経営者が食べているからこそ、味もわかるし、「健康に良くない」という批判にも耐えられる。毎日だそうです。すごいですね。
 では、食べる側の立場にたってみましよう。とある会社の経営者も社員も、自分の会社で作った商品は「食べたくない」と言っていたとしたら。それは消費者からしたら不愉快です。
 スーパーのお惣菜も、そのスーパーの店員が食べたいと買うほどでないと売れないそうです。賞味期限切れの近い材料を手抜きで作っているだけなら、従業員が買いません。そういう商品は必ず、消費者が離れていきます。
洋服ならどうでしょう? 車なら? テレビなら? 自分で自分の会社が作ったものを使い、友人にも薦めるのではないでしょうか。

父さんの物件には
住まないほうがいいと
娘に言うなんて

 建物も同じです。サブリースであろうが、中古で買って回しているのであろうが、誰かが住んで生活します。
 とあるオーナーの物件はかなり古く、旧耐震のままで、大きな改修工事もせず、生活保護の方々が住んでいて、そこそこ利回りもあるそうです。それはそれでターゲティングとしてはわかります。
 そのオーナーの娘さんが、「お父さんの賃貸物件を借りて、一人暮らしを始めたい」と言いました。すると「父さんの物件はやめておきなさい」と言ったそうです。うーん。それは食べ物や洋服やクルマだったら、どうでしょう。やっぱり違和感がぬぐえませんよね。

ターゲットに提供すべき
機能やデザインは異なる。
しかし、安心安全はみな求めるはず

 収益物件ですから、利回りは重要です。当然低所得者をターゲットにして、過度な設備や、流行なデザインにする必要はないかもしれません。
 また、「自分が住むならネットなんかいらない」「娘が住むならバストイレ別は必須」というのは、ターゲット論として大事です。自分や自分の家族ではない人は、「ネット無料がいい」「バストイレ一緒で構わない」という事はあるでしょう。志向性は住む人によって違います。
 でも「安心でなくていい」「安全でなくていい」という人はいるでしょうか? それは違います。地震が来ても大丈夫? 泥棒が入りにくいセキュリティ? といったベースのところは、「うーん、自分だったら住まないレベルの安全性だけど、どうぞ」というのは、やっぱりおかしいのです。食べ物やクルマの例えでも同義ですよね。「知り合いにはとても食べさせたくない安全性です」とか「娘が運転したら、事故にあったら命が危険なクルマなんです」とかは、ありえない。
 そういう前提で、「安心安全」のベース強化は、収益物件オーナーにとっては、社会に対する生活提供という仕事と考えると、基本だと思うのです。
 今、物件一度、ご自身の物件はどうでしょうか。自分やご家族が住みたい物件ですか。そんなことを新しい時代に考えて頂きたいと思います。