関西の大家業をもっと楽しくする
ヒント集
vol.106
2019.03.19
「Wi-Fiが遅いから、この部屋はやめます」
お部屋選びの新基準
写真はイメージです
ネット無料の浸透
2019年3月現在。新築のネット無料物件の割合は60%-70%と驚異的な伸びとなっています。全空室でも、20%近くがネット無料となっており、かつての「バストイレ別」の勢いで大普及しています。5000~6000円月額でかかるネット代が、生活費に占める割合は多く、これが無料という物件は大人気なのです。CMでも「ギガを探して若者が街をさまよう」などというものがどんどん流れていますが、スマホからWiFiをつないで、ゲームや動画を見る人が増え、ゆえにネットをつないでWiFiを飛ばしている人が多いのです。
問い合わせでも増えた
「ネット無料ですか?」
実は、私は不動産会社にコンサルのお仕事で常駐もしておりますが、「この物件はネット無料ですか?」「この物件のネットはどのくらいのスピードですか?」という問い合わせが増えました。
入居者のお部屋選びの条件としても急浮上しているのが実感されます。やっぱり動画を快適に見たいとか、ネットゲームで快適に遊びたい、あるいは就職活動や勉強でもネットは必需品だからなのでしょう。
ネット無料なら、なんでもいいの?
ネット無料にも様々なサービスがあります。収益物件オーナーの負担の安いものは遅く、負担が高いものは速いというのが、全般的に傾向です。
では、どれを選べばいいのでしょうか?
「一番安いものを選んでおけばいいんだよ。よーは、検索にひっかかればスピードなんか入居者にはわからないからさ。エアコンだって、サッシだって、トイレだって一番安いものを選ぶのが賃貸経営。こうやって私は勝ってきたんだよ」というオーナーもいます。さて、この「出来る限り投資は安く、リターンは多く」は正しい選択でしょうか。
見学時にWi-Fiをつないで
スピードを確かめる人が登場
現在、TVCMの広告費全体と、ネットへの広告費全体が追い付いたそうです。若者のテレビ離れが進み、生活必需品にネットが浸透しています。受験勉強・合格発表・ゼミの宿題・就職活動・資格取得と、娯楽だけでなく、人生のライフイベントがなにからなにまでネットになってきました。オーナーの利用状況を、入居者の利用状況が上回りつつあります。すごいですね。
先日、常駐先で物件の内覧に同行しました。なんとその入居希望者は、物件のリビングやトイレで、共用WiFiにつなでゲームをやってみたのです。
そしてひとこと。「ここはネットが遅いので、別の物件も見せてください」とのこと。スピードが遅いと動画は止まるし、ゲームは負ける。なので、多少家賃が高くても、ネット環境の整っている物件、できれば部屋ごとに光回線がつながっている物件の中から探したいそうです。すごいですね。
こうした入居者の変化に、収益物件オーナーも兆しを掴み、未来を見据えて空室対策につなげていきたいですね。