関西の大家業をもっと楽しくする
ヒント集
Vol.10
2015.03.10
桜の木は、手間がかかる。
しかし、入居者の心を癒すのも桜の木。
ところが、物件の近くにあると、管理にはとても手間がかかります。花が散ると、その掃除が必要ですし、葉っぱが落ちればまた、掃除。
そんな手間のかかる桜と賃貸管理のお話です。
写真はイメージです
春は桜。でも賃貸管理では、
投資対効果はよくありません。
桜は、日本の象徴というべき樹木です。春の花見の主役でもあり、入学式や入社式というスタートのイメージとも重なり、とても人気の高い花です。
しかし、大家さんの立場になるとやっかいな樹木です。根は大きくはりますし、背も高く、剪定も必要です。自分が見て楽しむのであれば、桜の花は美しいものですが、知らない人が花見にやってくるとなれば、騒がしいものであり、後始末がされない宴席の跡等はとても見苦しいものです。
掃除も大変。
花が散ればその掃除も大変です。排水溝を詰まらせることもあります。
そして、毎年、葉が落ちます。これまた、掃除が大変です。「あー針葉樹でも植えておけばよかったな」と思う事もあるでしょう。サクランボがなる桜であれば、別として、そういう木でなければ食べて楽しむ事もできません。「あー柿でもリンゴでも植えておけば・・・」と思うかもしれません。
管理も大変。
虫もつきます。駆除にはお金もかかります。伸びてくると、「ベランダに葉が落ちて困る。毛虫が布団につくので、剪定してほしい」といった要望もくるかもしれません。
ところが、昔から、「桜切る馬鹿。梅切らぬ馬鹿」といわれます。これは、桜の木は、枝を切るとその部分から腐りやすくなるため、切らない方がよいという事のことわざ(梅は切った方が無駄な枝がつかない)です。つまり、剪定するにも、それなりに熟練のテクニックや処方が必要で、素人の大家さんが高枝バサミでチョキンというわけにもいきません。
桜の根が歩道のブロックを破壊する事も。
さらに桜は、根が太く、大きく大地の上に張り出す特性を持っています。よかれと思って植えた桜が、歩道にしきつめたブロックを割って、地上に張り出してしまう事もあります。
こうした根は、実は、転倒の危険にもなります。今後高齢化社会を迎えるにあたって、バリアフリーを意識すると、桜の舗装持ち上げ現象や、根上がり現象は、植樹にふさわしい木とは言い難いかもしれません。
桜は年に、三度、心を癒す
それでも、皆様の物件には桜があるかもしれません。これから建てる物件に桜を植えたいかもしれません。上記のデメリットがあったとしても、桜には、それだけの魅力があります。
冷たい冬に枝だけとなった桜は、光合成をする事はできません。その状態で春、葉を付ける事無く、全てのエネルギーを注ぎ込んで花を咲かせます。その花の魅力は、日本人は心を打たれ、古来より、花を愛で、春を実感してきました。
そして、緑のたくましい葉を付けます。潔く、花を散らせ、夏はまばゆいばかりの緑を発します。
やがて、秋になると紅葉を迎え、赤く変化し、これまた季節の移ろいを見る度に伝えてくれます。
日本は四季のある国であり、「管理が楽な針葉樹」では、その四季を感じる事はできなくなってしまうかもしれません。大家として物件を建てる事は単なるビジネススキームではなく、地域社会への貢献であり、街づくりのひとつです。胸を張って、桜を育てましょう。
桜の写真を撮りましょう
そんな大切な、手間のかかる桜は、あなたの物件広告にちゃんと載っていますか?冬の枯れた木の様子だけが写真で撮られて、物件広告やネット広告に掲載されていませんか?
桜は手間がかかるものです。だからこそ、満開時の風景や、夏の緑を写真に撮り、物件広告に活かして行きましょう。それが、あなたの桜の素晴らしさを入居希望者に伝えるための、今風のアプローチなのです。
