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ヒント集

vol.9

2015.10.05

先生!
高く売りたければ、家賃表に細工をすればいいと聞きました。少しだけなら、大丈夫ですよね?

それは一大事!ダメダメ。絶対にやってはいけません!
契約自体が無効になったり、責任追及をされて
結果的に損をするかもしれませんよ。


収益不動産の取引を行う大家業の方にとって、物件のレントロール(家賃表一覧)は最も重要な情報であり、契約条件の一つだと思います。なぜなら、収益不動産を買うかどうか、また融資をするかどうかの検討資料として使われるため、ここに嘘があることは致命的な結果をもたらす可能性があるからです。
では、売主・買主それぞれにどんなリスクが生じるかお話しすると同時に、その防御策をご紹介しましょう。

その、売主のリスクって何ですか?

 売主としては少しでも高値で売却したいという誘惑からか、レントロールに事実と反する記載をしてしまい、紛争が生じている例が法律相談の現場でも散見されます。よくあるパターンは、解約の意思表示があるのに隠している、サクラ(実態のない賃借人)を入れて、契約後しばらくすると続々と解約通知が来る、滞納の事実を隠ぺいして説明がない…などです。
 大家業の方は想定利回りも参考にするでしょうが、現況利回りをもとに適正な売買代金を検討しています。そのため、現況に基づいた収支計算で購入後の資金繰りが成り立つか否かが、購入判断の重要なポイントになるのです。また、融資先の銀行も現況のレントロールを基本とし、それに修繕履歴・雨漏りなど建物に問題が発生したことの有無、家賃の滞納や苦情・紛争の有無などを加味して、融資金額や利息の利率などの条件を決定しています。つまり、このレントロールに虚偽を記載することは、ひどい場合には契約自体を無効にさせる危険がありますし、契約を無効にさせないまでも損害賠償の対象にあることが明らかです。

買主のリスクって何ですか?

 買主がこのような物件をつかまされてしまうと、収支計算・資金繰りの予定が完全に狂いなど大変な事態になり得ます。そうした事態に陥った場合、いくら裁判で勝てる可能性があるとしても、裁判をすること自体大きな不利益ですし、それによる時間的金銭的コストを考えると百害あって一利なしです。そこで、そんな事態にならないよう防御策をお話しします。

買主はどうやって防御したらいいのですか?

裁判になる前に

買主側の防御策としては、レントロールを契約書や重要事項に添付することはもちろん、このレントロールと条件が違う場合には違約金や無条件の契約解除条項を特約として盛り込みます。さらには、レントロールと相違ないこと、これと異なる事情が発覚した場合には直ちに買主に書面で通知すること、レントロールに相違がないことを売主本人と売り側の仲介業者に裏付け(賃貸借契約や入金状況)を確認させた上で仲介業者にも署名捺印させるなどして、虚偽の記載を未然に防ぐ方法が考えられます。
 収益不動産の取引においてレントロールで意図的な操作があるだけで、それは購入を中止すべきシグナルととらえるべきだと思います。つまり、売主・買主双方、トラブルのない気持ちよい取引を心がけることが、無駄な費用がかからない一番の方法です。