関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.6

2015.07.13

先生!
家賃の支払いを待ってくれ…と言われました。踏み倒されたら、どうしましょう?

それは一大事!そういう場合の対処法をお話ししましょう。
滞納額が大きくなればなるほど、賃借人は支払う意欲を失ってしまう場合が多いです。


収益物件のオーナーにとって最も頭の痛い問題は、滞納問題です。滞納問題を放置すると耐えがたい経済的な損失を被る危険があります。弁護士として、日常的に遭遇する滞納問題を踏まえてお話ししたいと思います。

まずは、何をしたらいいですか?

 そうですね。直ちにすべきことは、少しでも滞納があれば(悪気なくうっかり忘れている場合は別でしょうが)、滞納の事実の指摘とそれが賃借人の義務に違反していること、滞納分の賃料の支払いを口頭及び文書で求めることです。借金している人もそうですが、うるさいところから払うのが世の常ですので、オーナーは「いい人」になってはいけなく、「うるさく、請求する嫌な人」にならなければなりません。

滞納が続いたら、どうなりますか?

 少額の借金の場合は借り手の方が弱いですが、借金の金額が大きくなればなるほど、しかも借り手に何らの財産もない場合には貸し手より借り手が強くなります。また、滞納額が大きくなればなるほど賃借人は支払う意欲がなくなっていきますし、賃料を支払わずに居座る利益も高まってしまいます。
 そして、滞納額が増えれば増えるほど、オーナーのリスクはどんどん高まります。滞納額を回収できなければその分が損失になることはもちろん、不払いのあげく明け渡さない賃借人が存在することは致命的な損失をもたらすこともあるのです。

いざとなったら、 立ち退いてもらえばいいのでは?

 そう思いますよね。でも、このような賃借人に立ち退きを求める裁判を行う羽目になり、弁護士に依頼するとなると着手金・報酬金と実費(印紙代や郵便代など)で少なくとも数十万円が必要になります。滞納分の賃料請求も裁判で当然できますが、このような賃借人からは実際に回収できないのが一般的です(判決で認められても回収できるかどうかは全く別物です)。勝訴判決が確定したとしても、賃借人が自主的に明け渡さないとなると、最悪、強制執行までしなければなりません。ここまで来ると、鍵を開けるための専門職の費用、強制執行の立ち会いの手数料、賃借人が家財道具などを放置しているとその搬出費用、保管費用などどんどん回収できないお金が出ていくことに…。この間当然ながら、新たな賃借人の募集もできず、実質的な滞納額はどんどん膨らんでいきます。

どうしたら、このような事態を防げますか?

裁判になる前に

 このような事態を防ぐ最も有効な手立ては、当たり前すぎることですが、募集段階でちゃんとした人とだけ契約する、信用のある保証人を確保するということだと思います。収益物件のオーナーは空室をできるだけ埋めたいという誘惑に駆られるときもあるとは思いますが、上記のような結果をもたらす危険性のある賃借人が一人でも入るとその不利益は空室期間が延びることの不利益をはるかに凌駕することは明らかです。したがって、入居時の審査で妥協はしない方が無難です。