関西の大家業をもっと楽しくする

ヒント集

vol.4

2012.05.10

「瑕疵担保責任」について考えてみました

 一般の人はあまり使わないけど、不動産屋なら誰もがよく使う「瑕疵担保責任」って言葉。
ちなみに僕は読めるけど書けません(恥)
不動産の売買契約においての瑕疵担保責任とは取引後に売主、買主双方が認識していなかった瑕疵が発覚した場合、誰が責任を負うか?ということです。
具体的には、引渡後に雨漏りが発生したとか、床下を見たらシロアリが発生していて柱がボロボロだったとか。

(コンクリートが爆裂してる某物件。でもこれは「隠れたる瑕疵」じゃないですけど)
買主から見ればそりゃ売主が責任を取るべきだろうというのは理解できますが、お爺ちゃん売主から見れば「そんなんワシは素人やし、後から責任取れと言われても無理じゃ」という主張も一理あります。
不動産取引ではそういうトラブルを避けるために契約時に、そういう問題が発生した時に、誰がどこまで責任を負うかということを取り決めるのが一般的です。
ちなみにそういう取り決めを契約時に一切行わなかった場合は民法が適用されるのですが、民法では買主が瑕疵を発見してから1年以内なら売主に瑕疵担保責任を追及できるとなっています。
10年後に発覚しても追求できるってことなので、売主から見ればたまりませんわな。
じゃあ、当事者同士が納得すれば何でもいいかというとそうではなく、売主、買主それぞれの属性によって法律で制限があります。
有名なのは売主が宅建業者で買主が素人の場合、売主は引渡後最低2年間の瑕疵担保責任を負う事が宅建業法で定められています。
でも売主、買主両方が一般個人の場合、売主は瑕疵担保責任を一切負わないという取り決めもOKです。
中古住宅などでは普通に売主瑕疵担保責任免責で取引が行われますが、30年ローンを組んで購入してリフォームをしようとしたら柱がボロボロに腐っていた。でもだれも責任を取ってくれないという悲劇が時々起ります。
我々が行っている収益物件の場合、売主が一般の法人、買主が個人という時、瑕疵担保責任を売主はどこまで負うべきか?がよく議論になります。
一般的には売主が法人で買主が個人だと「消費者契約法」が適用されるので、相応の瑕疵担保責任を負うべきでしょ、という認識で多くの不動産会社はそうしていると思います。
当社も今までそういう運用をしてきました。
で、そんな話をメルマガに書いたら、それはちょっとおかしいのでは?という指摘を受けました。
収益不動産を購入する人は事業目的で購入する訳ですから、事業者であって消費者では無いはずとのこと。
確かにそういう議論はありますよね。
弁護士にも確認したのですが、個人であっても事業者と認定され消費者契約法は適用されない可能性はあるようです。
でも判例がないので、誰もそのことについて断言できないのが実情のようです。
そう言えば賃貸で自殺などの心理的瑕疵があった部屋はいつまで入居者に告知するべきか?というのも判例が無いので不動産会社が勝手に「事故後最初に貸すときは告知義務があるけど、その次からは告知しなくてもよい」と決めつけて運営しています。
今回も、それと同じで仲介会社がトラブルを避けるために相応期間の瑕疵担保責任をつけて契約しているというのが実情のようです。
じゃあ、瑕疵担保責任免責でやっちゃってもいいかというと、もし裁判で買主有利な判決が出ればその特約は無効になっちゃうし、仲介会社も責任を問われるので、やはり相応期間の瑕疵担保責任をつけて契約する方が売主にとっても有利と思いますけど。
不動産の仕事をしていると、責任の所在が明らかではない事例は結構あります。
仲介会社が何も知らないと「じゃあ、お前らが責任取れ」という話になって来ます。
無知だと尻の毛までむしられるので日々勉強ですね。
今回も良い勉強になりました。